ある時は割り箸、ある時はプラスチック製品。時代によって移り変わる環境破壊のヒール役がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは"IT業界で社畜として働くツイッタラー"として情報発信しているよんてんごPさん(@yontengoP)の「Uber頼んだら付属のスプーンやらフォークが全部木製になってて、袋に『地球環境保全のため、当社はプラスチック製品をヤメて全てを木製にしてSDGsで宇宙船地球号』とか書いてあったのだけど10年くらい前は「割り箸は環境破壊!木の箸は使うな!」みたいなブームがあった気がしたのだけどな」という投稿。
たしかに割り箸を環境破壊の代名詞のように言う風潮は1980年代ごろから見られた。割り箸は間伐材や材木の端材を用いることが多いので、実際は環境に大きな影響を与えることはないのだが、イメージだけでそういうレッテルを貼られてしまったわけだ。そして近年はその矛先はプラスチック製品に…。
定見なくコロコロ移り変わる環境破壊のレッテル貼りに、SNSユーザー達からは
「割り箸の話を共通テスト模試で見かけて驚いたなぁ」
「そういえば一時期、マイ箸とかなんとかありましたね いつの間にか無くなったけど‥‥」
「環境活動家も企業も、本当に環境のことを考えている人ってかなり少ない...」
「それなんですよ。紙袋が主流だったりした頃、森林伐採を防ぐ為プラの袋に変わっていき、今は逆。これは何か動いているような気がしてならないのです。大企業とか国とか。捨て方、リサイクルを徹底する方がよっぽどエコだと思う。」
など数々の共感の声が寄せられている。
投稿者さんに聞いた
よんてんごPさんに話を聞いた。
ーー昨今のプラスチック製品排除の傾向について。
よんてんごP:環境保護を考えるにあたって、本当に意味があることならば仕方ないと思いますが、ナイフ、フォークが木製なのに結局それがプラスチックで包装されてたりすると「どのくらい意味があることなのだろうか」とは思ってしまいます。あと、単純に紙ストローで飲み物を飲むのは、あんまり心地よい感覚ではないので…。
ーーある時は割り箸、ある時はプラスチック製品と時代により批判対象が移り変わります。
よんてんごP:キチンと環境問題に取り組んでないので、実際にそれぞれがどの程度、環境に影響があるのかわかりません。時々刻々と変わる環境問題に対して、適宜必要な対応であれば良いと思いますが、何となくのブームや雰囲気によって、あっちこちで警鐘を鳴らしているのであればそれに振り回されるのは、ちょっと困りますね。
ーー投稿の反響について。
よんてんごP:多くの反響が寄せられ驚いています。賛否両論いただいているほか、原因を政治に求める人、世界的な経済問題として考える人、あるいはすぐにブームに乗っかる日本人の国民性に絡めて考える人など、一つの投稿から各人各様の問題提起に繋がるのは、SNSの面白さだと思います。
◇ ◇
環境への配慮は大切だが、誰かの思惑に振り回されるのは避けたいものだ。なお今回の話題を提供してくれたよんてんごPさんは現在「DIAMOND ONLINE」誌上で連載のIT業界の座談会に参加している。IT業界の現状や悲喜こもごもがよくわかる興味深い内容なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたい。
よんてんごPさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/yontengoP
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