AIと対話しながら商品開発 みんなの「こんな商品あったらいいな」を形にする仕組みが始動

平藤 清刀 平藤 清刀

「こんな商品があったらいいな」という想いを、AIと対話しながらコンセプトづくりからイメージ画像まで生成し、実際の商品開発まで後押ししてくれる新商品開発プラットフォーム「架空商品モール」が登場した。「架空」となっているが、需要が見込めたら商品化される「本気」の開発ツールだ。

生活者が商品開発を主導する時代が来る

メーカーが商品開発をする際は、多くの場合、社内からアイデアを募る。しかし「アイデアが出るまでに時間がかかる」「社内から出るアイデアの量が少ない」「出てくるアイデアに既視感がある」といった課題にぶつかることが少なくない。

「架空商品モール」は、生活者の声と生成AIを活用することで、多くのアイデアを生み出すことができるという。

「架空商品モール」の開発を手がけた「NTT DX(ディーエックス)パートナー」は「生活者はアイデアを形にする喜びや、商品開発に携われるワクワク感などの体験価値を得られ、メーカーは正確な潜在的ニーズの把握と開発コストの削減といったメリットを得られます」としている。

商品開発の新たな手法に取り組みたい大企業や、開発コストをかけられない中小企業にとって心強い味方になるばかりでなく、個人でも「架空商品モール」を通して商品開発に携われるのが魅力だ。

AIチャットボットと対話しながら「想い」を具体化

具体的にどんな流れで進んでいくのか、手順を追ってみよう。

あらかじめ「架空商品モール」に会員登録をしておく。

メーカーは「架空商品モール」内にプロジェクトページを作成し、自社の紹介や生活者につくってほしい商品ジャンル、開発にかける想いなどを掲載し、アイデアを募集する。

そのページを見た生活者は、「あったらいいな」や「こんな商品が欲しい」という想いを生成AIチャットボットと対話しながらアイデアを生み出す。性別、年代、職業などのほか、現在の困りごとなど、AIチャットボットからの質問になるべく具体的に答えていくと、最終的に商品コンセプトとイメージ画像が生成される。

生成された画像が思い描いていたものと違う場合には、やり直しもできる。図面やイラストよりも、鮮明なイメージを共有できる点も斬新だ。

たとえば下の画像は、コーヒーの着色汚れに特化した「コーヒー特化型歯ブラシ」。いかにも実際の商品画像に見えるが、「こんな商品があったらいいな」という生活者の想いを受けてAIが生成したイメージである。

またこちらは、後ろから抱きしめられる感覚で温めてくれる「ハグ・パートナーヒーター」。これも「あったらいいな」を元に生成されたイメージだ。

こうして投稿されたアイデアからメーカーが上位3つを決定し、生活者には採用の有無にかかわらずAmazonギフトカードで謝礼が贈られる。

今後は「新商品プロデュース事業を通じて、メーカー各社の技術力を生かした新規事業や新商品開発に貢献するとともに、自治体や金融機関などと連携して地域経済全体の振興に取り組み、新たな価値を生みし続けることに挑戦していきたい」とのこと。

まずはひとつ、新商品のアイデアをつくってみないか。

 ▽

架空商品モール

https://virtual-product-mall.com/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース