家政婦さんって、どこからやってくるの?高くないの? 実は「豪邸でないと雇えない」わけではなかった!

意外な家政婦事情

村山 祥栄 村山 祥栄

 

マンガや映画に登場するお金持ちの豪邸に行くと必ず登場するお手伝いさん。市原悦子さん演じる「家政婦は見た」や松嶋菜々子さん演じる「家政婦のミタ」といったドラマもあったが、日常的に家政婦さんにお目にかかる機会はあまりないのではないだろうか。

そもそも家政婦はどこからやってきて、いくらで雇えるものなのだろうか。また最近ではダスキンやベアーズといった大手企業も含めて家事代行サービスという事業を展開しているが、何が違うのだろうか。

そこで、京都で110年以上続く老舗の家政婦紹介所、信愛看護婦家政婦紹介所の清水一照さんに話を聞いてみた。

 

――ずばり伺います。家政婦=豪邸のイメージですが、家政婦さんをお願いするのは高いですよね?

「それはどうでしょう(笑)。家政婦さんを紹介する先は豪邸もありますが、一般的なご家庭のご利用も多いですよ。うちの場合、家政婦賃金1340円、紹介手数料160円、消費税16円、合計1516円(一時間)というのが標準ですね」

――えっ、安くないですか?家事代行とかもっと高いですけど…。

「基本的に家事代行サービスは時間3000円以上になることが多いと思いますが、単発のスポット利用が主流になっており、あちらは派遣業になります。私どもはあくまで紹介業で、長期利用を前提にしておりますので比べると、金額はかなり安くなると思います」

…仮に週2回4時間ずつ雇用しても月5万円程度だ。これなら家事の時間が取れない共働き夫婦でも利用できるじゃないか。

――ということは、短期利用はできないのですね?

「一概にそうではありません。基本的に家政婦さんもお仕事を探されていますので長期が望ましいですが、単発や短期間の利用もお受けしております。また月に一回だけ通院の介助をお願いされるお客様もいらっしゃいます」

――介護保険の生活介助とは違いはありますか?

「介護保険の場合の自己負担額は人によってまちまちですが、できることに限りがあります。端的に言えば、介護保険の場合ケアマネージャーが必要と認める行為しかヘルパーさんは出来ません。また、生活に必要な最低限のサービスしかできませんので、例えば掃除は出来ますが、それは居間と寝室など居住スペースに限定されます。仏壇の掃除や普段使わない客間の掃除などは出来ません。通院介助もできますが、病院の中までは付き添えません。それらも家政婦なら全て出来ますので、介護保険のサービスと併用される方もいらっしゃいますし、介護保険の対象にならない方もご利用されますね」

――正直、知らない人を家に入れるのってちょっと不安です。モノが無くなったりするトラブルもあるんじゃないですか?

「確かにそういうことは無いとは言えませんが、少なくともうちの場合は何度も面談をし、研修を経て保険も掛けてから紹介につなげておりますので、これまでそういったトラブルはありませんね」

   ◇   ◇

結論、意外と家政婦の敷居は高くなく、使い方次第ではかなり便利なもののようだ。特に忙しい共働きのご夫婦や少し出来ることに限界を感じ始めている老夫婦などには使い勝手のいいサービスなのかもしれない。ただ、家政婦の紹介所は小規模零細事業者が圧倒的に多く、口コミのみで営業されているところなども多いため、まずは信頼できる地域の紹介所を探す必要がある。

「ちょっと困ってきたな」というとき、一度家政婦という選択も視野に入れてみてはどうだろうか。

   ◇   ◇

【取材協力】
▽信愛看護婦家政婦紹介所
京都市東山区本町新五丁目163-4
075-561-3236

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