大掃除をする際の注意点として、京都市消防局がコンセントや電源コード周りの清掃を提案している。電源コードが原因となる火災が過去最多ペースになっているためで、ほこりの除去やコードを束ねて使わないことなどを呼びかけている。
コード出火の原因として、コンセントとプラグの間にほこりや水分が付着して発火する「トラッキング現象」がある。また、コードを家具で踏みつけたり、束ねたりした状態が長年続くと、無理な力が加わることで被膜や内部の銅線が破損して発熱やショートにもつながる。
京都市内では、昨年1~9月に電源コードが出火元とみられる火災が16件発生し、2013年と18年の過去最多に並んだ。一昨年までの10年間に発生した火災の原因のうち、コード火災の割合は約5%だったが、昨年は全体の11%を占めた。
製品評価技術基盤機構によると、テレワークの普及以降、延長コードやテーブルタップなどの利用が進み、配線器具からの出火が増加傾向にあるという。
コード出火の増加を受け、市消防局はビラの配布やホームページなどで注意喚起を始めた。コードの上に重いものを置かないことや、プラグの定期的な清掃などを挙げている。
昨年末には西京消防署が、桂徳小(京都市西京区)の児童約70人を招き、実演教室を開いた。署員が、ほこりに見立てた綿をプラグとコンセントの間に挟んで差し込み、通電させるとすぐさま炎が上がった。また、むき出しにしたコードの銅線を重ねたり、一部を断線しさせたりすると発熱の原因になることも示した。
同署の浅井一男副署長は「大掃除に合わせて、あまり目を向けないコンセント周りがきれいかどうか、コードが傷んでいないかなどを確認してもらいたい。小さな火事を防ぐことが大きな火事を防ぐことになる」と話す。