一戸建てに住んで「電気代が高くなった理由」ランキング…1位は「リビング階段」 後悔しないポイントを1級建築士が解説

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電気代の値上げが続く中、2022年夏季の電力需給は非常に厳しい見通しとのことから、政府による節電要請がされています。そこで、一戸建てに住む全国の男女1254人に電気代が高くなっている理由を聞いたところ、「リビング階段がある」「大きな窓がある」「吹き抜けがある」などの回答が寄せられたそうです。

ホームインスペクション(住宅の建物診断)や不動産業務支援などを手掛ける「株式会社南勝」が、「築1年以上10年未満の一戸建て」に居住中の25歳以上45歳未満の男女1254人を対象に「自宅の電気代について」として2022年6月に実施された調査です。

はじめに、「ここ半年くらい、以前より電気代が高くなったと思うことはありますか」と聞いたところ、「とても思う」(33.7%)、「なんとなく思う」(36.8%)、「あまり思わない」(18.6%)、「まったく思わない」(3.7%)、「わからない」(7.1%)という結果になりました。

続いて、「以前より電気代が高くなったと思う」と回答した人に、「電気代が高くなった理由」を聞いたところ、「リビング階段がある」(19.8%)、「単なる無駄遣い」(16.3%)、「大きな窓がある」(14.1%)、「吹き抜けがある」(12.0%)と続き、「わからない」は20.7%でした。

また、「電気代が高くなったと思わない」と回答した人に、「電気代が高くならない理由」を聞いたところ、「窓ガラスが二重または二重サッシ」(27.9%)、「高断熱高気密の家に住んでいる」(26.8%)、「まめに節電している」(24.6%)、「家に吹き抜けやリビング階段がない」(21.8%)といった回答が上位に並びました。

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電気代の値上がりの原因は、原油と天然ガスの価格の高騰に伴って、電気料金も調整される「燃料調整制度」が導入されているからだといいます。同社代表取締役で「住宅専門チャンネル Youtube不動産」で建築・不動産などのノウハウを解説している印南和行(いんなみ・かずゆき)さんは、「電気代のかかり過ぎる家の夏の特徴と改善点」について、以下のようにアドバイスしています。

【1:吹き抜け】

LDKが吹き抜けになっていると、エアコンは2階の分まで効果を発揮することになるので、冷暖房効率が悪くなりがちです。吹き抜けやリビング階段がある住宅では電気代が高くなることを想定していると思いますが、想像以上に高かったと後悔しているご家庭もあります。

特に夏は、天窓や吹き抜けにある高所の窓からの太陽光を、カーテンやロールスクリーンなどを設置することで遮るようにしておくなどの工夫をしておくと良いかもしれません。何よりも電気代を気にせず暮らせる、太陽光発電+全館空調が良いことはわかっていますが、初期費用がかなり高額になるので、簡単に導入できるものではありません。吹き抜けで電気代を安価に抑える方法は、設計の段階からしっかり考えましょう。

【2:仕切りがない】

吹き抜けではなくても、広いスペースに仕切りのない間取りは、電気代が高くなりがちです。リビングと一体化した和室や土間と続いているリビングなど、開放感を大切にして考えられた空間は、やはり電気代が気になります。日本の住宅は基本的に「広い=部屋数を多くする」という考え方ですが、近年、なるべく仕切りをなくした「令和式0(ゼロ)LDKハウス」という住宅も増えています。

0LDKは、壁やドアなどの材料費を抑えることができるので、費用の削減になるというメリットの他、レイアウトを自由に変更できる、家具の配置の自由度も高いなど、楽しい暮らしをイメージできます。しかし、その分電気代が高くなることは覚悟しなければならないでしょう。住宅全体に風を通すことができるので、夏は強い日差しを遮ってしまえば暑さは軽減できるかもしれません。一方、冬は寒いという声があります。

また、他の部屋との仕切りがしっかりされてあるものなら良いのですが、仕切り自体がなかったり、欄間などで和室の戸の上部が開いていたりすると、せっかく冷えた空気がそちらに流れ暑く感じてしまうので、住宅に広く開放的な空間を作る場合は、見た目の良さやオシャレ度を重視するだけでなく、断熱気密などを検討し、冷房効率が良くなる工夫も大切です。

【3:窓が多い】

窓が多い、大きいという間取りは電気代が高くなる場合があります。それは、家の中で熱の出入りが一番多いのが窓だからです。窓は外気温の影響を一番受けやすいです。冬はなかなか暖まらなく、夏は冷えないのは、窓の断熱性が低いことが原因かもしれません。日本の住宅で多く採用されている「アルミサッシ+単板ガラス(1枚ガラス)」窓は、断熱性がかなり低いと考えて良いでしょう。

断熱性を高めるためには、遮熱と断熱のどちらにも効果を発揮するLow-E複層ガラスなどがオススメです。これは、夏は強い日差しによる室温の上昇を防ぎ、冬は温めた室内の熱を逃しません。また、アルミサッシは熱が逃げやすいので、樹脂を使用したものにすると効果は絶大です。樹脂の熱伝導率は、なんとアルミの約1000分の1~1400分の1とされています。大開口の掃き出し窓や寝室などに特にオススメします。

【4:家電製品が古い】

家電製品はどんどん省エネ化が進んでいるので、最新家電ほど消費電力が少なくなる傾向があります。電気代が高い家電と言えば、エアコンです。サイズにもよりますが、10年前のものと比較すると電気代が安くなっているものもあります。冷蔵庫も、15年前のものと比較すると現在は電気代が半分になっているものもあります。

今後も電気代の高騰は続くかもしれません。新電力会社を選ぶことで安くなる場合もありますが、プランの選び方を間違えると余計に高くなることもあるので、慎重に検討してください。

 

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なお、今回の解説で想定している住宅は、これまで印南さんが見てきた一般的な木造二階建てだといいます。印南さんは「高断熱・高気密の住宅にしたり、設計上の様々な工夫に取り組んだりすることで、冷暖房効率を上げて電気代を押さえることができるケースもあります。(上記のような説明が)すべての住宅に対して当てはまるわけではない点を予めご了承ください」と述べています。 

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【出典】
▽YouTube不動産
https://www.youtube.com/channel/UCu5pac3VmabJ-OvFiPxlzIA

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