全国の小学1年生~6年生の子どもがいる世帯の保護者2097人に、子どもの「体験格差」について調査をしたところ、世帯年収が「300万円未満」の家庭の子どもでは、約3人に1人が、学校外で行う「体験活動」を何もしていないことが分かりました。また、世帯年収「300万円未満」の家庭の約6割が「経済的理由で子どもがやってみたい体験をさせてあげられなかった経験がある」と回答したそうです。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(東京都墨田区)が、2022年10月に「子どもの体験格差実態調査」と題してインターネット上で実施した調査です。スポーツ・音楽などの習い事・クラブ活動のほか、キャンプや旅行、芸術鑑賞といった子どもの学校外での「体験活動」は、子どもの学習意欲や主体性などの社会情動的スキルに影響をもたらすといい、文部科学省でも重要な教育政策として推進されているといいます。
まず、「学校外で行う体験活動への参加状況」について調べたところ、世帯年収「300万円未満」の子どもの約3人に1人(29.9%)が、1年を通じて何もしていないことが判明。世帯年収「600万円以上」の家庭(11.3%)と比較すると、2.6倍の差が生じていることが分かりました。
また、「学校外での体験活動をさせてあげられなかった理由」については、世帯年収が低い家庭ほど「経済的理由」が多く、世帯年収「300万円未満」の層が56.3%と半数を超えた一方で、世帯年収「600万円以上」の層では16.9%に留まる結果となっていたそうです。
続いて、「物価高騰による子どもの学校外の体験機会への影響」を調査した結果、世帯年収「300万円未満」の層では、約2人に1人(50.6%)が学校外の体験機会が「減少した」(30.8%)、「今は減っていないが今後減る可能性がある」(19.8%)と回答。
同社は「物価高騰の影響で体験機会の格差が今後さらに拡大することが懸念される」とコメントしています。
最後に、「保護者が小学生の頃に行っていた体験」について調査したところ、世帯年収「300万円未満」の層では、「定期的なスポーツ・文化芸術系の習い事やクラブ活動をしていない」と答えた割合は39.8%、「自然体験・社会体験・文化的体験を年1回以上していない」と答えた割合は48.9%だったのに対して、世帯年収「600万円以上」の層では、「定期的なスポーツ・文化芸術系の習い事やクラブ活動をしていない」が23.2%、「自然体験・社会体験・文化的体験を年1回以上していない」が34.9%となり、現在の世帯年収が低い家庭の保護者ほど、小学生の頃に学校外の体験活動を何もしていなかった割合が高いことが分かりました。なお、回答者からは以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽やりたいと言われても、どれも経済的に無理なので、子供自身が無理だよねって何も言わなくなりました。だんだんわかる年齢になり、子供なりに我慢しているようで申し訳なく思っています(40代女性/小学4年生保護者)
▽母子家庭のため、周りの友達と同じように色々な習い事をさせてあげることができず悔しい。 スイミング、ダンス、英会話、ピアノ、したいことをたくさんさせてあげたかった(20代女性/小学2年生保護者)
▽海水浴や旅行に行きたがっていたが、コロナ感染で仕事を休む日があったりで、休暇もとりづらく、経済的にも余裕がなかった(40代女性/小学4年生保護者)
▽野球チームに入らせてあげたいが、ひとり親の為、経済的に余裕がなく道具やユニフォームが用意してあげられなかった(50代女性/小学4年生保護者)