女性のみなさんは、現在の生活や仕事についてどのような意識を持っているのでしょうか。全国の20～69歳の女性1000人に聞いたところ、女性が専業主婦になるために必要だと思う夫の年収額のイメージについては、子ども2人の場合では「平均980万円」でした。また、有職女性の半数の人が「現在の生活に満足している」と回答した一方で、約3割の人が「本当は専業主婦になりたい」と回答したそうです。
ソニー生命保険株式会社が、「女性の活躍に関する意識調査2022」と題して2022年9月に実施した調査です。
はじめに、全回答者に「女性が専業主婦になるために必要だと思う夫の年収額のイメージ」を、子どもがいない場合、子どもが1人いる場合、2人いる場合、3人いる場合のそれぞれについて聞いたところ、子どもがいない場合では「400万円～500万円未満」（19.7%）、子どもが1人いる場合では「500万円～600万円未満」（15.6%）、子どもが2人いる場合では「700万円～800万円未満」（15.9%）、子どもが3人いる場合では「1000万円～1500万円未満」（17.5%）がそれぞれ最多回答となりました。平均額は子どもがいない場合では「618万円」、子どもが1人いる場合では「804万円」、子どもが2人いる場合では「980万円」、子どもが3人いる場合では「1200万円」となりました。
次に、有職女性675人に「現在の生活に満足度」を聞いたところ、「非常にそう思う」（8.9%）と「ややそう思う」（41.6%）を合わせて50.5％の人が「満足している」と回答。一方で、「満足していない」と回答したは25.0%となりました。これを年代別にみると、「満足している」と回答した人は、60代（55.4%）が最も高くなっていたそうです。
また、「今後、バリバリとキャリアを積んでいきたいですか」と聞いたところ、「そう思う」は35.0%、「そう思わない」は33.2%となりました。
これを年代別にみると、20代と30代では「そう思う」（20代38.3%、30代42.9%）が「そう思わない」（20代34.0%、30代27.6%）を上回った一方で、40代以上では「そう思わない」（40代36.8%、50代32.0%、60代37.3%）の方が多かったそうです。
続いて、「管理職への打診があった場合」については、54.5％の人が「受けない」と回答。その理由については「ストレスが増えそう」（57.1%）、「責任が重くなる」（52.2%）、「管理職に向いていない」（38.9%）、「仕事と家庭の両立が難しくなる」（37.5%）といった回答が上位に並びました。これを配偶者の有無別にみると、「仕事と家庭の両立が難しくなる」は、配偶者がいる人では48.7%で、配偶者がいない人の26.0%と比べて22.7pt高くなっていたそうです。
また、「女性が社会で働くには不利な点が多いと思いますか」と聞いたところ、67.9%の人が「そう思う」と回答。これを年代別にみると、50代が79.5%で最も高くなりました。
さらに、配偶者の有無別では「そう思う」の割合は、配偶者がいる人（74.1%）は、配偶者がいない人（61.5%）と比べて12.6pt高くなっていたほか、子どもの有無別では、子どもがいる人（74.7%）のほうが13.0pt高くなっていたといいます。
次に、「本当は専業主婦になりたいですか」と聞いたところ、「そう思う」は33.0%、「そう思わない」は40.6%という結果になりました。
これを年代別にみると、20代では「そう思う」が43.2%だったのに対して、60代では24.1%と、年代が上がるほど低くなる傾向がみられました。また、子どもの有無別にみると、「そう思う」の割合は、子どもがいない人（35.2%）のほうが、子どもがいる人（30.6%）より4.6pt高くなっていたそうです。
最後に、有職女性の「生活や仕事に関する意識」について、過去の調査結果と比較すると、「今後、バリバリとキャリアを積んでいきたい」では、「そう思う（計）」（2019年43.3%→2020年34.2%→2022年35.0%）、「管理職への打診があれば、受けてみたい」では、「そう思う（計）」（2019年31.0%→2020年18.7%→2022年20.9%）となり、2022年はいずれも2019年から大幅に下降した2020年調査の水準のまま、ほぼ横ばいで推移する結果となりました。
同社は「長引くコロナ禍による経済停滞で厳しさが増す就労環境や、働く環境におけるジェンダーギャップ解消の遅れなどが、女性のキャリアアップ志向に大きな影響を及ぼしているのではないでしょうか」とコメントしています。
