防災グッズは100円ショップで多くそろいます―。京都府南部を震源とする地震が相次ぎ、全国で梅雨入りする中、災害時への備えが求められている。その半面、「何から準備すればいいか分からない」という人もいるのでは。京都府長岡京市在住の男性は、身近な100円ショップを活用し、防災グッズをそろえることを提案している。女児が亡くなった大阪府北部地震からきょう18日で丸4年。
京都府の乙訓地域で活動する市民団体「チーム防災OTOKUNI」の代表を務める中川久徳さん(68)。定年退職後、社会貢献のため防災について学び、市民講座などでその重要性を伝えてきた。
多くの人に関心を持ってもらうため、着目したのが100円ショップだ。「防災の意識はあっても、どう手をつければいいか分からない人が多く、できるだけハードルを低くしたかった。その点、100円ショップはなじみがある人が多い」と指摘する。
携帯トイレ、水でふやける圧縮タオル、歯磨きシート…。中川さんは「これも便利ですよ」と話し、段ボール箱から100円ショップで購入した商品を次々と取り出した。食品類や衛生、救急用品をはじめ、非常持ち出しや備蓄用に推奨されている物品の多くが100円ショップで手に入るという。また、ラップは止血やロープ代わりに使え、皿や茶わんの上に敷けば洗う水が要らなくなるように、一つの日用品でも工夫次第で幅広い活用が可能だ。
「買って終わりではなく、使ってみることが大事」と中川さん。例えば、防寒に便利なアルミブランケットは封を開けて広げてみてサイズ感を把握しておく。簡易トイレ用の凝固剤は使い方とともに、どれほどの量や時間で固まるのか知っておくことで、いざという時に慌てないで済む。「100円なので手軽に試せて買い足せる。家族構成や避難の日数を考えて何がどれだけ必要かシミュレーションしてほしい」。1日だけ電気やガスなしで生活する「おうちキャンプ」や、実際に避難所が開設された時はグッズを持参して使ってみることも勧めている。
夏は冷却シートやうちわ、冬はカイロなどが必要となるように、年2回は内容の点検が欠かせない。赤ちゃんのいる家庭だと、おむつのサイズが変わる可能性がある。
近年はコロナ禍によるアウトドアブームで、100円ショップでも調理用具をはじめ関連グッズが充実し、防災用としても役立つ。防災コーナーがない店舗では、旅行や福祉といったテーマで探すと商品が見つかりやすいという。中川さんは「自治体や防災団体などが作っている防災グッズのリストを持参し、『これは使えるかな』と想像力を働かせながら店内を巡ってほしい」と呼び掛けている。