猫の多頭飼育崩壊、現場に駆けつけたスタッフが見たものとは…目を覆いたくなる惨状、なぜこうなった?

ふじかわ 陽子 ふじかわ 陽子

増える多頭飼育崩壊、その理由は?

猫の多頭飼育崩壊は近年増加傾向にあると、奥さんは言います。その理由は、猫の完全室内飼育ではないかと。昔であれば、猫が外と家を行ったり来たりして、近隣住民が異変に気付くこともありました。しかし、完全室内飼育が主流の昨今、室内に入れてやることで問題発覚が遅れているとのこと。

特に女性の場合は野良猫を「可哀そう」と保護し続けることで、多頭飼育崩壊が起きる傾向が強いそうです。中には保護猫活動をしている個人ボランティアが、多頭飼育崩壊を引き起こすことも。

また高齢者の場合、体の自由がきかなくなり多頭飼育崩壊が起こる傾向が多いようです。子供たちが気付いた時には、手が付けられない状況に。

どのような状況でも人間の住まいの中で生きてきた猫は、野良猫になることができません。人慣れしていなくとも新たに飼い主を探す他ないため、問題を深刻にしています。

猫を救うことは人間を救うこと

奥さんは、現在猫を飼育している方に必ずしてもらいたいことがあると言います。それは、飼い猫に避妊・去勢手術を施すこと。そして、自分にもしものことがあった時、猫を任せられる人を見つけることです。高齢者だけが病気になったり亡くなったりするわけではありません。若い人でも必ずしてもらいたいと。その時のための貯金も大切です。

また多頭飼育崩壊が起きていると気付いたら、近隣住民の方でも構わないので行政や保護猫団体へ相談をしてほしい。身近に信頼できる保護猫団体がない時は、城下町にゃんこの会まで連絡を。奥さんはこうも言います。

「多頭飼育崩壊は、ゴミ屋敷問題に通じるところがあると感じています。猫やゴミ、それがSOSです。猫を助けるだけでなく、人間を救うことが大切だと考えています」

周囲との縁が薄くなってきた現在、声を掛け合うことが悲しい猫を生み出さないために必要なことなのかもしれません。

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【城下町にゃんこの会 和歌山】
(里親・預かりボランティア希望はこちらへ)
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