「ボロボロの野良猫を完全室内飼いの猫にするとこうなるんだよ。
逆を言うと猫を外にだすってことはこんなボロボロになるかもってことだよ。
ひろまれ…
周知されろ…
ひとりでも多くの人の意識が変わりますように。」
ボロボロの姿で保護された当時の猫ちゃんと3年後のビフォーアフター写真がツイッターで話題を集めています。やせ細っていた猫ちゃんが、今ではお目めまん丸でふっくらとした姿に変身!
「うちの子の話もいいですか?」
写真を投稿したのは、飼い主の「ささき」さん(@sa2ki0124)。投稿には4万超のいいねがついたほか、ささきさんが「幸せな室内飼い猫を見せてください」とリプライで呼び掛けたところ…飼い猫のビフォーアフター写真を投稿して「うちの子の話もいいですか?」「幸せになった野良猫を自慢する会場がこちらだと伺いました!」などとリプする人たちが殺到しました。
今回、猫ちゃんのビフォーアフター写真を投稿しようと思ったきっかけや保護当時のことなどを、ささきさんに聞きました。
実家の庭に現れた野良猫 ガリガリで背中の毛もなく弱っていた
――写真の猫ちゃんのお名前とお年は?
「ひなたといいます。男の子です。保護時の推定年齢が5~10歳だったので、現在は8~13歳くらいだと思います」
――毛がボロボロだったひなたくん。今では、ふっくら幸せそうなお顔になりましたね。保護したときのことをお聞かせください。
「当時、住んでいた実家の庭に突然現れたのが、ひなたでした。一生懸命鳴いてすり寄ってきたので、誰かにお世話されたことがあったのかもしれません。ガリガリで、背中の毛もなく、膿(うみ)の臭いがすごく弱っているようで。すぐ保護したかったのですが、実家での保護はだめだと家族に断られてしまったんです。
そこで、どうにかできないかとTwitter、Facebook、里親サイトなどSNSで協力してくださる方を募ってみたところ、一時保護先を見つけることができました。ただ、目を離した隙にいなくなってしまい、その後3日間探して奇跡的に発見。何とか一時保護先のお宅で保護していただけました」
――一時保護をお願いしたあと、どうなったのでしょう?
「最初は人懐っこいので、元気になったら里親募集しようと考えていましたが、猫エイズステージ4で難治性口内炎もひどく、里親さんが探しにくいかなと。何より最初にすり寄ってきたひなたのことが忘れられず…一時保護さんと相談し、私が実家を出て、ひなたと飼い犬のアポロたちと暮らすことにしました」
実家を出て、元野良猫と犬との暮らしをスタート
――保護されたのは3年ほど前だとか。
「2019年5月に保護したのでもうすぐ3年になります。ひなたは、顔も性格も穏やかになったと思います。保護当時は2.4キロだった体重が今は5.5キロになりました。獣医さんに久しぶりに会ったときに『あれ?この子、ひなたくん?』って言われたこともあったり。また保護時、汚れすぎていて、茶トラ猫だと思っていたのですが、いつの間にか茶白猫になっていてびっくりしました(笑)
性格も当初、飢えの記憶からか、手からごはんをあげると手まで食べようとして私の手が毎回血だらけになるくらい必死でご飯を食べたり、すごい爆音の要求鳴きをしたりしていました。でも、少しずつ変わってきて。今は手に歯が当たらないように食べれるようになりましたし、サイレントニャーもマスターしました! 必死にならなくてもご飯があって、大声で鳴かなくてもしてほしいことをしてくれるおうちだと思ってくれていたらうれしいです」
――2021年7月ごろから、TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)活動も始めたそうですね。
「ひなたとアポロと暮らすために借りたアパートの近所に空き家があって。最初はたまに見掛けるだけだったのが、日を追うごとに知らない猫が増えていきました。大量の置き餌も発見してしまい、これ以上放置するとヤバい、ひなたみたいになる猫が増えてほしくないと思って始めました。
当時はTNRについて情報でしか知らなかったのですが、捕獲器を設置するなど手探りながらも活動に乗り出したんです。活動を通じて感じたことは、猫が増えないのは賛成だけど、猫のことで協力するのは嫌だという方が多いこと。TNR活動自体よりも人間の理解を得ることが難しいなと日々思いますね」
幸せそうな室内飼いの猫ちゃんたちの写真がリプ欄に続々投稿
――今回、ビフォーアフター写真を投稿しようと思ったのは?
「SNSやテレビや書籍で野良猫の自由で美しい姿とか、外飼い猫が自由で自然な姿みたいなものを日々目にして、その猫たちって幸せなのかな?安全なのかな?って考えるきっかけになればと思ってツイートしました。
お外にいる猫たちは保護直後のひなたみたいになる可能性があると頭の片隅に入っていれば、野良猫や外飼いの子を見たときに『かわいい』だけじゃなくて…別の感情も生まれるんじゃないかな、生まれてほしいなと思います。ひなたも完全室内飼いにならすのに時間が掛かったので、大変なことがあるのも分かるのですが、わざわざ猫を散歩させたり、無理だと割り切らずに、ぜひ試行錯誤してほしいです。試行錯誤もかわいい我が子のためなので楽しいですよ」
――また、幸せになった室内飼いの猫ちゃんたちの写真も、リプ欄にたくさん投稿されましたね。
「どの子も幸せそうだし、飼い主さんたちの大好きが伝わってきて心が温かくなります」
――そんなささきさんに保護されて幸せいっぱいのひなたくん。同居のアポロくんと仲良くやっている?
「アポロはチワワとポメラニアンの雑種の男の子。13歳になります。ひなたとアポロの相性は良くも悪くもないです。お互いに興味なし、それぞれ好きに過ごしてますね。でも、寝るときは私が2匹を腕枕して川の字で寝てます!」
◇ ◇
「外は過酷ですものね」「保護して良かった」
今回のツイートにはこんなリプライが寄せられました!
「うちの子は雨の中、道路のど真ん中で立ち止まってました
最初はものすごく怯えていましたが 今はかなりの甘えん坊さんです
左が保護した頃です。」
「外は過酷ですものね 北海道の真冬に現れたうちのビフォアフ貼っときます」
「初めまして! うちの子も見せていいですか! 見せちゃいます! 左がお外時代です。
病気持ちですが、こんなにきれいにつるんっとなりました。可愛くて可愛くて仕方がありません。
外は過酷。今、家の中でのんびりすごしている姿を見ると、保護して良かったって心底思います。」
「うちの子の話もいいですか?外猫時代、100均ジョウロのフタが首に引っ掛かったまま暮らしてるのを発見し、
なかなか捕まらずやっと保護。喉渇いて水入ったジョウロに顔突っ込んで取れなくなったかと。
こんなアクシデントもあるのでやはり家でぐうたら安全に暮らしてほしい…」
「幸せになった野良猫を自慢する会場がこちらだと伺いました!
2kgしかなくて、背骨と肋骨が毛の間から透けて見えてた黒猫も、完全室内2年でモフモフになりました」
「うちのニャー達も放浪猫でした 別々に保護しましたが、今はのんびりな日々」
「うちも口内炎で食べられなくて、口の中の膿で体毛がこびり付いた子を保護しましたが、
いまはふくふくおばあちゃん猫です。どうか、いつか、全ての猫に幸せが訪れますように」
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■Twitter:「ささき」(@sa2ki0124)
https://twitter.com/sa2ki0124