「小学生のときからペンで空想の都市を描き続けています」
現役美大生で、イラストレーター・デザイナーとしても活動するこたさん(@kota_draw)の空想都市のイラストが人気です。
さまざまな作品を手がけているこたさんですが、その中でも子どもの頃から取り組まれているというペン画は特に注目されているもののひとつ。
驚くべきほどに緻密な都市の風景。しかも、こんなすごい絵をこたさんは小学6年生の頃に描いたといいますから、二重に驚いてしまいます。
さらに、中学1年生、大学生になった現在――と、年を経るごとに、絵のクオリティはどんどん向上。
また、それぞれの絵でビルの一部が消しゴムや鉛筆になっていたり、ダルマや招き猫が描かれていたりなど、こたさんなりの遊び心が垣間見えるのも、魅力のひとつですね。
息をのむような素晴らしい作品の数々。リプ欄にも「天才ですね」、「鬼才の片鱗は小学生の頃ですか」といった、称賛の声が寄せられています。
子どもの頃から類稀なる才能を発揮しているこたさん。そのルーツはどこにあるのでしょう?また今後の展望は?おうかがいしました。
――イラストを描き始めるようになったきっかけは?
こたさん:もともと絵を描くことが大好きで、保育園以前からずっと描いていました。また、小学校に入ると社会科の授業があり、そこで地理に出会ったことが関係しています。地理の魅力にのめり込んでからは自分だけの空想地図を描きはじめ、これがのちに立体的な空想都市のペン画へと発展していきました。
――創作の構想などはどうやって考えられているのですか?また、現在と子どもの頃で発想に違いなどは?
こたさん:小中学生の頃は下書きもせず、創作の構想はなんとなくのイメージがあるだけで、思いつくままにペンを動かして描いていました。現在は大学でデザインを専攻していることもあって、考え方がデザイン寄りになり、最初に具体的な完成形をイメージして制作に入っています。絵の精度もかなり上がり、ビジュアルコミュニケーション(絵や写真などを用いた視覚による情報伝達)の技術も大学に入ってから習得することができました。
――子どもの頃から才能があったのはもちろんですが、専門的に勉強することでそれがさらにブラッシュアップされたのですね。
こたさん:しかし、それはそれで考え方が凝り固まってきた気もします。何も考えずひたすらに描いていた昔の方が、芸術という、描くという行為そのものを楽しむことができていた気がします。
――現在の課題ですね。ちなみに、1枚描き切るのにどのくらい時間がかかるのですか?
こたさん:小中学生の頃は夏休みなどを利用して、長期間でゆっくりと制作していました。でも、大学生である現在は、1つの課題に使うことができる時間が限られていますので、1枚あたりだいたい1~2週間ほどで仕上げています。昔はコツコツと描き進めていましたが、最近では気が乗った時に集中して一気に描きあげています。
――緻密かつ奇抜な作風には、近未来のような雰囲気もありますね。
こたさん:実際にある風景ではなく、絶対にありえない、見たことないような都市を描いているので、近未来感はかなり意識していると思います。
――個人的には近未来アニメのビジュアルが連想されました。このような作品の影響もあったり?
こたさん:美大生では珍しいかもしれないのですが、アニメを見たり、ゲームをするといったことをほとんどしてきませんでした。なので、どちらかというと実際の都市風景を見たり、先に述べた地理からの影響が強い気がします。ただ、唯一ハマったのが藤子・F・不二雄先生の作品で、空想することの楽しさや、近未来的な設定についてはその影響も受けているかもしれません。
――今回紹介された空想都市のほかに、どのようなイラストや作品を作ってみたいですか?
こたさん:ペン画はいつか壁一面に大きく描いてみたいと思っています。ペン画以外にもデジタルイラストや絵本、グラフィックデザインに立体作品、アニメーションなどジャンルにとらわれずいろいろなものを作り続けていきたいと思っています。
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幼い頃に出会った絵や地理への興味を活かしながら、前向きに創作活動を展開するこたさん。
将来の夢は、「ズバリ『国立新美術館で個展を開く』こと!」だそうです。また、ペン画については現在販売はしていないとのことですが、今後展示をする機会があれば、そこで販売することを検討しているとのことです。
■こたさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/kota_draw
■こたさんのペン画のまとめはこちら→https://twitter.com/i/events/1470700044592496646