自粛生活によって在宅時間が増え、以前より光熱水道費がかさんでいる方も多いのではないでしょうか。でも「水道光熱費を抑えるためにもっとがんばらないと」と考えるあなた、ちょっと待って! 水道光熱費の節約はやみくもに行ってもあまり効果が出ず、負担ばかりが増えてしまうことも多いのです。節約の際にやってしまいがちな失敗と効果的な節約方法を「Aさん」と「Bさん」の行動からご紹介しましょう。
ガマン&コツコツ節約を目指したAさん。がんばったのに節約額は年間2300円…
まじめな性格のAさん。「節約はコツコツやるしかない!」と考えて、次のような節約を実践しました。
▽エアコンをつける時間を減らす
夏の暑いときや冬の寒いときもなるべくエアコンをつけずにガマンしました。
→電気代年間約1610円の節約(※1)
▽部屋の電気はこまめに消す
部屋を出るときはすぐに電気を消す、なるべく自然光で過ごすなど、電気をつける時間をなるべく短くするようにしました。
→電気代年間約530円節約(※2)
▽冷蔵庫を開けている時間を短く
冷蔵庫の中のものを取り出したときは、すぐに扉を閉めるようにしました。
→電気代年間約160円節約(※3)
…ガマンを重ねたAさん。多少は水道光熱費を節約できたものの、イライラがつのり、ストレス発散のために、ほかの部分でお金を使ってしまいました。さらに、エアコンつけずにガマンしていると、暑さや寒さが厳しいときは体調を崩してしまうこともあります。そうなったら節約どころではありません。
「仕組み」を見直したBさん。節約額はなんと年間約3万3000円!
Bさんはガマンが苦手という自覚があったため、なるべく無理をせず節約する「仕組み」をつくろうとしました。Bさんが実践した節約は…。
▽電力会社を乗り換え
比較サイトで電力会社の比較を行い、より安くなる会社に乗り換えました。
→電気代年間約5000円の節約(※4)
▽LED電球につけ替え
家の電球を白熱電球から省エネ効果の高いLED電球につけかえました。
→電気代年間約2430円の節約(※5)
▽節水シャワーヘッドの取りつけ
お風呂のシャワーヘッドに「節水シャワーヘッド」を取りつけました。
水道代・ガス代年間約1万7000円の節約(※6)
▽食洗機を購入
新たに食洗機を購入。お湯を使って食器を手洗いすると、こまめに水を止めないと思いのほか水道代・ガス代がかかりますが、食洗機を使えば最小限の水と電気で洗うことができます。
水道代・ガス代年間約8870円節約(※7)
光熱水道費の節約で大切なのは……
Aさんのようなガマン中心の節約は手軽に取り組めますが、根気がない人は三日坊主で終わったり、ストレスが溜まったりしがちです。一方で、Bさんの節約は最初こそ契約変更や買い替えなどの手間がかかりますが、いったん変えてしまえば後はいつもどおり生活するだけなので誰でも続けることができます。
またご紹介した内容に加え、エアコンや冷蔵庫などの家電については、耐用年数を過ぎて使っていないかチェックすることも大切です。古い家電と比べると最新家電は省エネ性能が上がっているものが多く、適切なタイミングでの買い替えは節約につながります。
水道光熱費の節約で大切なのは、まず自分の生活を見つめ直すこと。そして特にお金がかかっている部分を無理せず節約する「仕組み」がないか考えることなのです。
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※1 夏は冷房をつける時間を1日1時間、冬は暖房をつける時間を1時間短縮した場合
※2 54Wの白熱電球1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合
※3 冷蔵庫を開けている時間を20秒から10秒にした場合
※4 電力会社や契約プランによって金額は異なる
※5 54Wの白熱電球から9WのLED電球に交換した場合
※6 給湯器40℃で1日72L節水した場合
※7 給湯器40℃、使用水量65L/回(冷房機関は給湯器を使用しない)の手洗いの場合と給水接続タイプで標準モードを利用した食器洗い乾燥機の場合との比較、手洗い・食器洗い乾燥機ともに2回/日
【電気料金27円/kWh 水道料金228円/㎥ ガス料金180円/㎥で計算】
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参考:経済産業省 資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬」