「特別警報級の台風」迫る今、“命を守る”マンガ話題 作成者に聞く「押さえておきたいポイント」

金井 かおる 金井 かおる

 国土交通省と気象庁は4日、「非常に強い台風第10号は、今後特別警報級の勢力まで発達し、5日夜から6日午前中にかけて沖縄地方に接近する見込みです。その後も特別警報級の勢力を維持したまま北上を続け、6日から7日にかけて奄美地方から九州に接近または上陸するおそれがあります。広い範囲で甚大な影響を受けるおそれがあります」と発表しました。

 そんな中、東京都江戸川区民らによる「江戸川みんなの防災プロジェクト」が作成したマンガ「どうする? 水害から命を守る行動」が大変分かりやすいと注目を集めています。

 背景には2019年10月の台風19号の甚大な被害がありました。「みんなで助かるために、みんなで大規模水害からの避難を考えたい」という思いから、障害を持つ人たちの意見なども取り入れ、2020年3月に発行されました。

 監修は、雲研究者で気象研究所研究官の荒木健太郎さん、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。マンガはエムラヤスコさん。

 SNSでも話題となり、特に監修者のひとり、荒木健太郎さんのツイート「台風情報の読み方です」には1.2万リツイート、1.6万いいねが寄せられ、今も拡散が続いています。

今、一番大切なことは

 特別警戒級の台風が迫る今、このマンガの中で一番に押さえておきたいポイントを同プロジェクトマネージャーを務める高橋聖子さんに聞きました。

 高橋さんが強調するのは、「避難は早い方が移動が楽。空振りでもいいから逃げましょう」ということ。

 「『自治体の発令がまだだから』や『避難準備だからまだいいや』ではなく、迷ったら安全寄りで決断して避難を。雨がじゃぶじゃぶ降る中ではなく、公共交通機関が動いている間に、道路が渋滞する前に、空振りでもいいから逃げましょう」(高橋さん)。

「判断を人任せにして後悔しない」

 また、「自分の命は自分で守る」というひとコマも紹介してくれました。

 「これまでの経験上、まわりが逃げていないから、家族が止めたから、逃げていない人がいるからといった理由で避難をやめた人も多い。判断を人任せにして後悔しないように、情報をうまく使って判断・行動を。避難が空振りになっても家族の経験値が確実にアップします」(高橋さん)。

気象庁「自分の命、大切な人の命を…」

 気象庁も発表の中で、「自分の命、大切な人の命を守るため、早めの対策をお願いいたします」と呼び掛けます。

 「風が強くなる前に安全なところへ避難するなど早めに身の安全を確保してください」「見た目の天候にとらわれずに、できるだけ河川内には留まらない・立ち入らないようにしてください」「風雨が強まる前のタイミングで対応をとることが重要」(気象庁発表)

 正しい情報を常に集め、自分や家族、大切な人たちの命を守ってください。

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