「華表」…この名字、読めますか? よくある名字なのに漢字と対応しない超難読タイプ…博学な人物の仕業かも

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「華表」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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千葉県の東金市付近にある名字だが、漢字と読みが全く対応していない。しかも地元にある地名でもなく、知らない限りは絶対に読むことができない。これで「とりい」と読む超難読名字だ。

「とりい」というと、通常はまず「鳥居」と書く名字を思い浮かべるだろう。「鳥居」は江戸時代の大名家にもあるなど、ポピュラーな名字である。名字の「鳥居」は神社の鳥居に由来としていることが多い。そして、神社の鳥居は神に供えた鶏のとまり木のことだという。

神社の鳥居の起源については諸説あるようだが、その中に中国の華表(かひょう)が源であるという考え方があるらしい。「日本国語大辞典」によると、華表とは「中国で、宮殿や墓所などの前、あるいは大路がまじわる所に立てられる標柱」のこととある。さらにそのルーツは、インドで城や塔の前に建てられた標柱であるという。

そのため、鳥居のことを華表と表現することもあったようで、そこから「華表」と書いて直接「とりい」と読ませていると考えられる。とはいえ、一般の人が思いつくようなものではなく、おそらく「鳥居」という名字の博学の人物が、「鳥居」から「華表」に漢字を変えたものだろう。

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