「さいごのさいごに食べられるものをあげること、そんなにいけませんか?」
腎不全末期の愛猫が最期を迎える時、普段は食べさせなかったものを食べさせた経験があるという飼い主さん(@kh1FxLTyTCRNFab)が、「最期は食べられるものを食べさせてあげたい」という気持ちをX(旧Twitter)に投稿。最期を迎える愛猫に好きなものを食べさせた、あるいは食べさせたいという人たちから共感のコメントがたくさん寄せられるなど注目を集めました。
「好きなもの食べて、空腹のままのさいごにならなくて良かった」
「うちの子も末期の腎不全で、何も受付けなくなりました。でも鮭の水煮缶を少し与えてみたら、寝たきりだったのに身を起こして美味しそうに食べてくれて 最期はそれも食べなくなって看取りましたが、あの時あの子は美味しい!と思えたんだなと、後悔してません」
「最期だからこそ好きな物食べさせたいよね 動物と暮らしたこと無いとかそういう場面に出くわしたこと無い人は正論ぶつけてくるけど多分当事者になれば同じことすると思う」
「昔うちで飼ってた15歳のお婆ちゃん猫、もう何も食べようとせず水も飲もうとせずどんどん衰弱…大好きだけどあまりあげちゃダメと言われてたかつお節を、もう最後だから好きなもの食べなって泣きながらあげてみたら…めっちゃ食った。ウソみたいに毎日食った。そして大復活して19歳まで生きた」
「食べてくれるならなんでもいい! 何だったら食べてくれるかな…? とにかく食べて…って そんな必死な気持ちなんですよね」
「うちの猫も先生にさいごは猫ちゃんが食べたがるなら肉でもケーキでも与えて下さいって言われました。積極的治療もやめ、さいごは少しでも楽に過ごしてほしいと思って何でもあげてました。猫がどう思ってたかは分からないけど…好きなもの食べて、空腹のままのさいごにならなくて良かったと思っています」
3年前に腎不全末期で虹の橋を渡った愛猫、療法食を与えていたが…
投稿した飼い主さんの愛猫は、3年前に虹の橋を渡ったという、元保護猫のてつくん。6年ほど前、当時地域猫だった、てつくんを飼い主さんが保護したといいます。
「もともと地域猫としてお世話していましたが、ある日大けがをして、足も引きずって現れたので急いで保護。保護時、繰り返したと思われるケンカのせいで犬歯も1本しかありませんでした。また若い猫だったこともあり、病院ではけがの治療がメインで腎不全の検査はしなくて。どこか悪いとは思いもしませんでした…」
そして、保護から2年後のある日のこと。てつくんは、何の前触れもなくいきなりご飯を食べなくなり、急きょ病院へ。検査をすると腎不全末期と分かり、「余命2、3日かもしれない」と宣告されたのです。
とはいえ、投薬とサプリメント、自宅点滴で何とか持ち直したという、てつくん。ただ食欲はあまり改善されませんでした。そこで腎不全用の療法食をシリンジに詰めて、飼い主さんが給餌する生活をスタート。てつくんは数値が悪く食欲がないのにもかかわらず元気に遊び、ご機嫌に暮らしていたそうです。
「診断した先生からは、腎臓療法食だけを食べさせるよう指示されていました。実際にそれが一番なのですが、それ以外は絶対あげてはいけないという気持ちにとらわれていて。私は食べたいものをあげず、自分から食べない療法食を強制給餌していました」
転院後の獣医師から「食べないなら何でも食べさせなさい」と言われ、最期は…
その後転院をし、新しい獣医師との出会いが考え方を180度変えることになったのです。
「転院した先の先生からは、食べないなら何でも食べさせなさいと言われました。実際亡くなる2週間前くらいからは、ホタテを食べさせたところてつは喜んで食べてくれました。でも、体に悪いと思ってほんのわずかしかあげず…その後悔は一生消えないと思います。思う存分食べさせてあげたかった」
最期はホタテを食べていたという、てつくん。家猫だった期間は、3年ほどでしたが、「てつは、外で苦労してきたとは思えないほど、穏やかで優しくて、いつもご機嫌な太陽みたいな温かい猫でした。猫は全員みんなかわいいですが、てつはいろいろな意味で特別な猫です」と飼い主さん。
そして最期を迎える愛猫に、好きなものを食べさせるという行為について「もちろん元気な子にファミチキやシュークリームをあげるのは良くないことです。でも、フードを食べられなくなった子が、自分から食べたいと思うものがあるなら、さいごにおいしかったと思って旅立ってほしいです。さらに、いただいたリプには好きなものをあげたら持ち直して数年生きた子たちもいたというコメントがありました。体に良い療法食にこだわりすぎた私がした後悔を他の方にしていただきたくない、そんな気持ちです」と話してくれました。