1年以上かけて「信頼づくり」…警戒心MAXのサビ柄猫が家族に! 今ではゴロゴロ甘える“愛され猫”に変身

梨木 香奈 梨木 香奈

元保護猫の女の子「サビちゃん」(取材時、推定5歳)。 2022年12月1日、長い時間を経て保護され、今は家族の温かな愛情に包まれながら暮らしています。

サビちゃんを迎え入れたのは、X(旧Twitter)ユーザー・Mさん(@mdr_1010)とそのご家族。家族の試行錯誤の末、サビちゃんとの新しい日々が始まりました。

慎重なサビちゃんとの出会いと保護

サビちゃんとの出会いは2021年9月。Mさんの娘さんが、仕事の休みの日に自宅裏庭で子猫の声を聞いたことがきっかけでした。窓から覗くと、数匹の子猫が遊んでいる姿があったのだそうです。

「近所では定期的に野良猫の親子を見かけることもあったため、保護することを決めたようです。しかし、当時の私はペットロスを経験していたこともあり、最初は反対しました」

飼育未経験の娘さんに数匹の子猫は難しいだろうと感じていたMさん。しかし、娘さんの強い意志と奮闘する姿を見て、Mさんとご主人も次第に心を動かされ、保護する決意を固めました。

ところが、子猫たちの姿はその日を最後に見えなくなってしまいます。それでも娘さんはあきらめず、毎日フードを置き続けました。そして1カ月が過ぎたころ、サビちゃんだけが姿を見せるようになったのです。

「最初は、サビが子猫だと思っていました。でも、どうやらサビは子猫たちの母親だったんです。人間を警戒していたのか、いつも小さく身構えていて、とても慎重な猫でした」

それから1年以上もの時間がかかりましたが、Mさんと娘さんは根気強くサビちゃんに向き合い続けました。そして、ついに2022年12月1日、玄関ドアから中に入ってきたサビちゃんを保護することに成功しました。

「その瞬間、何度も失敗してきた分、疲労感と高揚感で体が震えましたね。本当に長い道のりでした」

サビちゃんが家族にもたらした変化

保護された直後のサビちゃんは、人を極端に警戒しており、触れることさえ難しかったといいます。

「動物病院に連れて行くのも一苦労でした。噛まれて病院通いしたこともあります。でも、サビが来てから家の中は明るくなりましたね。みんなの会話の中心にはいつもサビがいて、自然と笑顔が増えました」

慎重で臆病な性格のサビちゃんは、今でも家族以外の人間には固まってしまうほど警戒心が強いのだとか。

「それでも、家族には少しずつ心を開いてくれました。今年に入ってからは、家族に撫でられるのが大好きになって、ゴロゴロ喉を鳴らしてくれるんです。大変だったことも、サビのその姿を見るとすべて忘れてしまいますね」

サビちゃんへの思いとこれから

サビちゃんは慎重で繊細な性格ですが、家族にとってはかけがえのない存在になりました。Mさんはサビちゃんにこう伝えています。

「家に来てくれてありがとう。お外にいた頃のこと、もし話せるなら聞かせてほしい。きっと怖い思いをたくさんしたんだよね。でも、もう安心していいからね。お外のことを忘れてしまうくらい、これからは大切にするよ」

これからもサビちゃんが安心して暮らせるように、Mさんとご家族は寄り添い続けるといいます。

「サビちゃんがいつか命を終える時、『ここに来て幸せだったな』と思ってくれるように、不安のない穏やかな毎日を一緒に過ごしていきたいです」

サビちゃんを守りたいという強い思いが、時間をかけて信頼へと変わりました。Mさんの家族に見守られ、これからも穏やかで幸せな日々を過ごしていくことでしょう。

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