一見、大学ノートに描かれた「ただの落書き」のようですが、視点を変えると立体に見える「だまし絵」が描かれたアート作品集がネットで話題を集めています。描かれているのは、直角に立ち上がったような虹や、飛び出すロケットや文字を吸い込むUFOなど…。あまりにインスタ映えしそうな風情に、思わずスマホのカメラを向けちゃいそうになりますが、実はそれが大正解!! これらの作品たちは、カメラ越しに見たほうが、肉眼よりも立体的に見えるという不思議な絵だったりするのです。そりゃあみなさん、撮影してシェアしちゃいたくなりますよね!?
ジオラマアニメーターのMozuさん(22)の作品を収録した「錯視トリックノート『NOUTO』(改訂ベスト版)」です。初版は2018年に作られており、その改訂版といいます。今春クラウドファンディングを通じて制作され、7月10日からは通販サイトで販売も始まっています。
Mozuさんが中学生時代に描いていた落書きが、文房具のプロデュースなどを手がける株式会社ノウトの高木芳紀さんの目にとまったことがきっかけで誕生した作品集。初版は2018年に作られましたが、その時Mozuさんは19歳。その後の新作も含めてベストなものを作っておきたいとの判断から、今回改定版が作られました。
作品集の内容について、高木さんに聞きました。
―どれも素晴らしいトリックアートの作品ばかりですが、新作はどのようなものですか。
虹が浮かび上がったり、コインが浮いているように見えるものは、初版から継続して収録している作品です。新作としてはこちらの電車の作品集とか…。ノートを90度折り曲げることで電車がトンネルの中に入って行くように見えて、より立体感がきわだちます」
―単に見るだけでなく、動作が入ることで、より楽しみが広がる感じですね。ちなみに、これらの作品って見る角度によってだいぶ印象が違いそうですよね…。
「そうなんです。実は上手に『撮影できる』ポイントというのがありまして…」
―えっ、撮影ですか?
「そうです。肉眼で見るとただのゆがんだ感じの絵だったりしますが、なぜかカメラ越しに見ると浮かび上がってくるように見えます。作品にはさまざまな表現手法が使われていますが、レンズを通して見たほうが、脳が騙されやすくなるのかもしれません。作品集には、どの角度から見れば立体に見えるのか『一言アドバイス』を盛り込んでいるほか、こんな感じで見えるという『正解』の画像も紹介しています」
―「正解」の画像というのがあるんですね…。
「実はMozuさんが絵を描く時も、スマホのカメラ機能を立ち上げて、画面をのぞきながら描いています。Mozuさんがカメラをのぞいていた場所と同じところから撮影した画像が、パーフェクトな状態といえると思います。カメラ越しに見たり、写真を撮影して面白さが増す絵というのも、とても現代的だな、と感じています」
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作品の上に文房具やフィギュアをのせて撮影すると、より立体感が増したり、まるで絵本の世界に入り込んだかのような不思議な世界がつくれるといいます。TwitterなどのSNSには、みなさんが撮影してみた力作がハッシュタグとともにたくさん投稿されています。興味のある方はぜひ見てみてください!
■Twitter #mozu_nouto
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■錯視トリックノート 「NOUTO」(改訂ベスト版)仕様 定価:1200円(税抜)※店頭では7月20日からの販売となります
https://nouto.co/products/mozu-nouto/