新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、全国各地の小中高校が臨時休校となったが、それに伴って「学校」という守られた空間でなく、自宅で過ごす、公園など屋外で遊ぶ時間が増えている。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、この非常時に便乗した手口によって、子供たちが被害にあう可能性を指摘した。
休校中も基本的に自宅で過ごすようにと伝えられても、健康な子供たちは外で遊びたいものだ。そこで、密室ではない公園など屋外で過ごす光景が街で見かけられる。
小川氏は「そういう子どもたちに『マスクあげるからおいで』と声をかけ、連れ去りなどの犯罪につながるケースも考えられなくはない。小学校低学年の子どもでも、マスクが不足していることは知っており、知らないおじさんの甘言でもついて行ってしまうこともある。甘言が飴(あめ)や猫ではなく『マスク』になっているのです」と解説した。
小川氏は「欲しいのに手が入らないマスクに加え、例えば、受けたくてもなかなか受けられないと報じられている『検査』もそうです。子供だけの自宅に『おじさんが検査する病院に連れて行ってあげる』とか、保健所の職員を装い『お母さんがコロナになったから一緒に病院に行こう』などと、コロナウイルスの感染拡大という時流に便乗した手口が、今まではなかったが、今後は考えられる」と推測した。
さらに、同氏は「まだ大きく報じられていませんが、全国で、子どもたちが公園などで盗撮されているという報告がいくつかの警察に届けられています。実害はないが『知らないおじさんにスマホで写真を撮られた』ということです」と明かした。
その対策として、小川氏は「学校の先生や家族はコロナについて、マスクや手洗いといった話はされていると思いますが、併せて、コロナに便乗した犯罪があることも話をしてほしい。『知らないおじさんにマスクあげるよなどと声をかけられても付いて行かない』などと教えることも必要だと思います」と訴えた。
一方で、同氏は高齢者等に対するアポ電詐欺やアポ電強盗などでも、新型コロナウイルスに便乗したケースが出てくると予想。「お年寄りにかかってきた電話で『マスクを配布します』とか、『非常時のアンケートです』などと言って、家族構成など個人情報を聞かれることもありうる。役所では『アンケート』などしませんから、そういった話は信じないでください」と呼びかけた。