福山駅「福山ばら寿司」1150円

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柴田 直記 柴田 直記

 最初に「福山ばら寿司」を食べたのは15年前、駅弁の達人キャンペーン指定駅弁だったからだ。福山市の花がバラで販売業者によると、バラの街福山とバラの花にかけてイメージした駅弁で、盛り付けは2003年発売当時のままだという。この地方の郷土料理でもあるばら寿司の由来は、バラの花から来ているのかなと思ったのが、この駅弁と出合ったからかもしれない。本当は具材をバラバラにして酢飯に混ぜ込んだということらしいが。その時の記憶をたどると、イクラが少し小粒になった感じがするが、数が増えた。バラの花びらは酢締めした小ダイの身3枚で形成され、ガクに見立ててあるのは深緑の味付け菜の花。レンコンは外側に飾り包丁が入っていたように思う。食べていると駅から歩いて行った、さまざまな種類のバラが咲き誇る、ばら公園を訪れたのを思い出した。

全ての食材が個性を奏でる和の融合

 バラの花にかたどられたパッケージのくりぬき部分から、きれいでおいしそうな中身が見え、この製作にも苦労が見て取れる。

 中央には花びらと言える薄いピンクの小ダイが咲き、めしべはイクラ、ガクは菜の花。四隅には色を合わせたのか、サクサクの酢レンコンとショウガが陣取る。

 どこから食べようか迷うが、酢飯と相性のいい卵焼きの千切りや、焼き目のついた刻みアナゴ、味の染み込んだ椎茸など、どれから食べてもうまい。イクラは口の中ではじけて食感が楽しめるなど、全てが予想通りの味で箸が進むこと間違いなし。

 主役を立てず、全ての食材が個性を奏でる和の融合でおいしさを感じた。

 バラの街福山をアピールする観光大使とも言える駅弁だ。

 1150円。山陽本線・福山駅「浜吉」☎0848622121。広島駅、広島空港でも販売。

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