姫路駅「関西シウマイ弁当」960円

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柴田 直記 柴田 直記

 今年は寅(とら)年なので、虎にちなんだ駅弁はないかと探していたら-、ありました。強そうな虎がパッケージに描かれた「関西シウマイ弁当」が。関東で横浜駅弁を中心に展開する崎陽軒が販売する人気の「シウマイ弁当」(パッケージには竜が描かれる)を姫路駅弁のまねき食品が関西風にアレンジ。駅弁業者同士がタッグを組んだ珍しい駅弁で、姫路駅で昨年11月末に新発売された。パッケージの水晶玉には関西の名所がちりばめられ、ご当地の兵庫県からは厚めに姫路城、明石天文科学館、明石海峡大橋、異人館、ポートタワー。他にも太陽の塔、通天閣、大文字、奈良の大仏、桃太郎など。左下には「まねき食品×崎陽軒」の文字が入り、コラボ商品だということが分かる。そんな駅弁業界では初と思われる2社が手を組んだ「関西シウマイ弁当」を東の元祖を思い出しながら食べてみた。

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 容器はふたを含め水分を吸収しやすい経木で、木の香りがかぐわしい。ふたを取ると、メインのシウマイは5個で東と同じだ。大きく違うのは姫路駅弁では見たことがない2つの素材。東にはオレンジ色のアンズが入るが、西は代わりにおかずの中で唯一甘い味付けの花豆煮が2個入っている。もう一つは焼き魚で、東はマグロの漬け焼きに対し、西は脂の乗ったサバの幽庵焼きになっている。

 タケノコ煮は濃い色のサイコロ状ではなく、西はおなじみの、えきそばのだしで炊いた東よりも色の白い拍子木切りで、1個当たりが大きい。俵形のご飯にのるゴマが東の黒に対し白ゴマがかかっているのも見た目で分かる。箸休めは東が切り昆布と千切りショウガで、西はレンコンの甘酢漬けとしば漬けだ。

 最初に食べたのは唐揚げ。かめばかむほど染み込んだアゴだしの味が口の中に広がる。その横には卵焼き、かまぼこ、サバの幽庵焼きが連続で並び三種の神器がそろい踏み。シウマイは肉々しくて弾力があり、ランチャームに入ったタレをかけなくてもおいしい。味にパンチが出るので小袋のカラシは私は必ず使うアイテムだ。

 レンコンは歯応えよくシャキシャキ感があり、タケノコもサクサクでうまい。商品名はシウマイ弁当だが、三種の神器がそろっているので、シウマイの入った幕の内弁当を食べているようだ。

 私の自宅から一番近い、食べ慣れた、まねき食品さんらしさが前面に出た仕上がりと感じた。

 欲を言えば横浜駅で姫路の名物駅弁である「あなごめし」を食べてみたいものだ。

 960円。山陽本線・姫路駅「まねき食品㈱」TEL079・224・0255

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