そんな無良さんをきっかけに、スケートを滑って楽しむ大人が増える現象が起きた。18年の夏、人気ゲーム『艦隊これくしょん―艦これ―』のアイスショーに無良さんが出演。プレイヤー自身でもある“提督”を演じ、紳士的な所作や力強い滑りで観客を魅了した。男性が9割を占める会場は「ウォー!」と野太い声援が響き、ツイッターでは「無良提督」がトレンドワード入り。さらに、スケートに興味を持ったファンの間で“#提督スケート部”というタグが誕生。艦これファンたちがスケート教室に通ったり、スケート靴を購入したなどとツイートすると、フィギュアスケートファンが大喜びで迎え入れた。
これには無良さんも「本当に予想外。ここまで一般の男性がフィギュアスケートをやってみようかな、スケート靴を買ってみようかな、って思ってくれる状況になるとは」と驚嘆する。
「大人がスケートを始めるってなかなかないこと。ゴルフとかはよくあると思うんですけど…。艦これの“提督”の方々の行動力は本当に素晴らしいし、すごいなと思います」
無良さん目当てにアイスショーへ足を運ぶ艦これファンも多数現れ、来年1月のサンクスツアー大阪公演では艦これファン対象の先行販売を実施するなど、確実に新たな層を開拓している。現状、フィギュアスケートは女性ファンが大多数だが、さらなる人気継続と発展には男性ファンの獲得がカギになってくるのかもしれない。
もしできるなら、と柔らかな笑顔で無良さんは言う。
「いつか、男だけのアイスショーとかやってみたいですね。福山雅治さんが男性限定のコンサートをされてますけど、ああいうのを見るといいなぁと。男ばっかりっていうのも面白そうですよね」