この本格的な香りは…『仁丹』で知られる老舗ならでは!『仁丹の食養生カレー』が人気

山本 明 山本 明

『仁丹の食養生(しょくようじょう)カレー』がカレー好きの間で話題です。こちらは口中清涼剤『仁丹』のロングセラーで知られる「森下仁丹株式会社」がプロデュースする一食ごとに小分けされたスパイスカレー。ネットのレビューでは「美味しい」「使い勝手が良い」などの声が上がっています。ただ、ひょっとして、隠し味は『仁丹』なのでしょうか…?カレー好きであってもなくても、非常に気になるところです…。

森下仁丹株式会社は1893年(明治26年)創業の会社で医薬品や食品などを製造・販売しています。本社は大阪・玉造。「気分不快」「口臭」「二日酔い」などに効能があるとされる、口中清涼剤の『仁丹』(医薬部外品)が良く知られています。伝統の生薬技術と製造方法を大事に守り続けてきたといいます。若い読者には祖父や年長の叔父さんが使っていたな、と覚えておられる方もいるかもしれません。直径1ミリ強ほどの銀粒ですが、生薬特有の苦みと甘みがあり、一度知ったら記憶に残り続ける強火の香り…と書くとうなずく人も多いはずです。

そんな、長年生薬の研究に努めてきた同社が、漢方専門店の「薬日本堂」と共に生み出したのが『仁丹の食養生カレー』。双方の知識と技能が詰めこまれたカレーは身体に良いだけでなく味も美味しいのが人気の理由です。カレー好きの筆者も食べてみました。最初は果物や野菜の甘味から、食べ進むにつれ口中にじわじわと辛みとスパイシーさが広がる本格派のカレーです。また常温でも固まらない植物油脂を利用していることから温めいらず。さらにお弁当などの携帯にも適量の、30gに小分けされているのも便利です。1本あたり41キロカロリー。夜にちょっとカレーが食べたい時にディップ感覚でクラッカーに塗って楽しんでも、罪悪感が少なくてすみそうなカロリーも嬉しいところです。

開発の経緯やお薦めの食べ方など、同社ダイレクトマーケティング事業部の渡辺千佳さんに聞きました。

―いきなりですが「『仁丹』味」のカレーではないのですね…?

「はい、違います。『仁丹』の味はしません(笑)やはり『仁丹』は弊社製品の中でも最も世に知られた商品ですし、確かにとてもインパクトのある香りなのだと思います。以前、製造工場が本社に隣接していた時は『仁丹』を作る日は前を通っただけでも分かる、と社員の中でも言われていました」

「しかし『仁丹の食養生カレー』は『仁丹』の味も香りもしませんよ」

―そもそもどうして「カレー」だったのでしょうか

「開発当時、薬日本堂さんと一緒に、互いに蓄積してきた専門知識を併せて、和漢植物の力をもっと気軽に日々の食卓に取り入れてもらえるような商品を作らないか、ということになりました。その時に浮かんだのが、日本の国民食とも言えるカレー。古くからカレーに使われているスパイスも和漢植物と共通しています。金時生姜や甘茶など森下仁丹が厳選した和漢植物配合で、化学調味料、着色料、合成保存料無添加のカレーの開発が始まりました」

「そして『人は食から栄養成分を吸収して健康に生活する』というコンセプトのもと10年ほど前に立ち上げた『仁丹の食養生』ブランドの第一弾商品として世に出ることに」

「おかげさまでご好評をいただき2009年3月からの販売開始から10年、今年の9月末までに延べ約190万本販売いたしました」

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