今年も残り三ヶ月を切り、新元号になって初めてのお正月が近づいてきました。正月と言えばおせち。早くも、予約が始まっていますね。そんな中で、銀粒の「仁丹」で知られる森下仁丹株式会社の「薬膳おせち」が年々売り上げを伸ばしているようです。生薬の香りが忘れがたい強烈な印象を残す、あの「仁丹」。そんな120年以上生薬とともに歩んできた同社がプロデュースするおせちとは。何だかとっても健康によさそうです…。
森下仁丹株式会社は大阪に本社をおく、創業明治26年の老舗企業。中でも厳選された16種類の生薬を配合した口中清涼剤の「仁丹」(医薬部外品)はロングセラー商品。口臭や二日酔い、乗り物酔いにも効能を発揮するといいます。どちらかというと一般的にはシニア世代に愛用されている印象があるかもしれません。筆者も10数年まえに他界した祖父が飲んでいた覚えがあり、その独特の香りは時を経てなお記憶に残っています。
そんな同社は10年前からおせちを予約販売していますが、4年前から「薬膳おせち」に移行したといいます。
いくつかお品書きを抜粋すると…
■田作り
■昆布巻き
■きんとん
などといった定番のメニューはもちろん
■高麗人参エキス入り海老艶煮
■中華くらげ クコの実添え
■キヌアと海老のサラダ
などといった、薬膳らしいメニューに、スーパーフードを取り入れた現代的な一品もさりげなく入っています。
全体的におしゃれな印象に仕上がっていて、薬膳と聞くと、身体に良さそうだけど少し食べにくいのかな…?と思う人でも食べやすく感じられそうなおせちです。ちなみに種類は2種類。一段の「亀甲重」は2~3人前、二段の「百彩重」は3~4人前だそうです。
―なぜ「薬膳おせち」を販売することになったのですか
ダイレクトマーケティング事業部の中島亜呼さん「10年ほど前に普段の食生活を大切にして食べることでより健康になる、という『食で養生する』の考えをもとに商品を開発することになりました」
「おせちはその一つ。着色料一切不使用、塩分控えめ…など味や見た目など様々な試行錯誤をくり返した後、4年前に『薬膳おせち』にたどり着きました」
「販売後すぐ、手ごたえを感じました。おかげさまで年々、売り上げが伸びており、今年は特に初動も良いようです」
―そもそも『薬膳』とは
「皆さん、『薬膳』というと特別な食材などを使った敷居が高そうなメニュー、と思われたりもしますが、そんなことはないんです。ふだんの食材であっても、その最良の組み合わせを研究することで身体にも良く、四季折々に身体が必要としている、美味しい薬膳料理を作ることができます。おせちは元来、身体に良い素材が多く使われた、年末年始の家族の健康を思いやる料理。そのありようからして薬膳に近い料理なのではと思います」
―メニュー開発でこだわりの点は
「全品、合成着色料・合成保存料は無添加です。毎年、お客様からご要望いただき次年度のお品書きを検討しますが、その際は一品一品時間をかけて、料理の具材はもちろん、調味料の内容まで調べます」
―人気のお品書きは?
「『高麗人参エキス入り』海老艶煮が好評です。これはふっくら煮上げた海老のぷりっとした食感のあとに、甘辛い高麗人参の香りがふんわり追いかけてきます。いわゆる根っこのような匂いはありません。お子さんにも好評です」
◇ ◇
4年間「薬膳おせち」を販売してきたなかで「ふだん、お惣菜を食べない家族もこのおせちは美味しそうに食べていた」などのコメントをいただくこともあり、そういうお声が嬉しいんです、と中島さん。
「ぜひ、『薬膳おせち』も薬膳って美味しくて身体に良いんだな、とお正月に楽しんで召し上がってもらえれば。」
◆森下仁丹オリジナル 「薬膳おせち」予約ページ https://www.181109.com/lp/osechi_2020.html