さらに馬渕氏は指摘していた。米国の上場企業の収益を合算すると、1〜3月期は前年比減、4〜6月期も前年比減、7〜9月期もアナリストの予想は前年比減と、減益が続いている。そうなると株価は本来、企業の利益に連動するので、米株式相場の妥当な水準は昨年12月よりも安い水準である可能性があるというのだ。つまりダウ平均だと2万2000ドルといった水準までの下落が視野に入ってくる。そこまで一直線に下げることはないのだろうが、当面は下げ基調が続く可能性が高いということだ。
では日本株はどうなるのか。2020年3月期の業績予想が減益見通しであるにもかかわらず、日経平均株価が2万2000円近辺まで戻りを試したことを勘案すれば、日本株も米国株の上昇に“つれ高”していた可能性が高い。米株安をきっかけに円相場が1ドル=100円近辺まで上昇するような展開も想定できるといい、馬渕氏は「年内に日経平均が1万6000円台まで下げる可能性も十分にある」と考えている。日経平均は平均すると1年間でおよそ30%上下するといわれている。今年の高値から3割下げた水準は1万6000円を下回る程度だから、なるほど馬渕氏の予想に大きな違和感はない。