東京のオフィス街にある「ストイックな公園」が話題に…なぜパンダの遊具が1つだけなのか

北村 泰介 北村 泰介

 東京都心のオフィス街にパンダの遊具を一つだけ置いた小さなスペースが、SNSで「ストイックな公園」と話題になっている。現場に足を運び、「パンダの真実」に迫った。

 場所は千代田区の神田錦町、名称はポケットパーク「キンキン広場」。ビルの一角にあり、運営するUR都市機構によると面積は約 8.7m×約 8.7mの約 76平方m。中央のサークルにパンダの遊具が1つだけポツンと置かれている。

  同機構・東日本都市再生本部の担当者は当サイトの取材に「もともとは駐車場で、暫定的に地域のにぎわい創出のための広場にするということになったのが、2017年12月になります。18年2月には神田錦町四町会主催の餅つき大会も行われました。その時は、駐車場で利用していた舗装に陸上トラックを模したペイントや人工芝を接着剤で貼り、ベンチを設置した簡易なものでした。19年2月に広場をリニューアルオープンするにあたり、舗装をし直して固定式のパンダの遊具を設置し、開放しました」と経緯を説明した。

 ベンチは撤去され、公園として必要な遊具にパンダが採用されて半年。ツイッターには「覚悟を決めないと遊べない」という投稿も。ならば覚悟を決めてやろうとパンダにまたがろうとした瞬間、その背に貼られた「常用荷重40kgまで」の表示に腰を浮かした。

 「40 kg以上の人が乗ると破損の恐れ」「この遊具は3-6歳用」とある。そこで、体重をかけずにまたがり、後頭部の取っ手を握って軽く前後に揺らした。平日の午後に1人でパンダと戯れるオッサンに対し、都会の人は見て見ぬふりをして通り過ぎていく。誰もこれが仕事だとは思うまい。童心に帰るというより、一種の羞恥プレー。時の過ぎゆくままに、この身をパンダに任せた。

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