堺のハニワ課長も大コーフン(古墳)! 「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産登録 

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 大阪府の堺市・藤井寺市・羽曳野市にまたがる「百舌鳥・古市古墳群」が7月6日、世界遺産に登録。アゼルバイジャンで開催された『第43回世界遺産委員会』では満場一致で承認され、街なかに古墳が現存することも大きなポイントとなった。同日、応援キャラクターとして尽力してきたハニワ課長、堺市文化観光局長・宮前誠さんが記者会見をおこなった。

 年齢は約1600歳、スーツ姿に土器顔のハニワ課長。世界文化遺産に登録に決まるまで「ドキドキ(土器)しています。コーフン(興奮)しています」と、ハニワ・ジョークを次々と繰り出し、市民からも愛される存在となった。

 国内推薦まで3回落選したことを振りかえり、「ダメやダメやと言われているので、なんで古墳の良さが伝わらないんだろうと。一時は自分が悪いんじゃないかと引退を考えました」と当時の思いを語りつつ、「堺の宝が、世界の宝に。これからは世界に向けて、サイコーフンスタティック! あっ、今の伝わらないですね、最高+古墳+(ファン)タスティックです」と新ネタを披露した。

 宮前さんは、「これまでは世界遺産登録を推進してきたが、これからは守っていくためのスタートではないかと。大阪府の吉村洋文知事と3市のトップが8日に帰国して、どういう指示があるのか。今まで以上に注目され、『上空から見たい』『カギ穴が見たい』という要望はますます強くなっていくと思いますので、我々としてはどんな工夫をしていくのか考えていきたい」と語った。

 多目的ホール「フェニーチェ堺」(堺市堺区)では、7月5日・6日に『「百舌鳥・古市古墳群」世界遺産委員会 パブリックビューイング』が開催され、登録の可否が審議される様子を中継した。

 委員からは「10年以上かけたとあってすばらしい調査書、読んでいて面白い」「日本だけの文化」「街の真ん中にある古墳が、このように残っているとは信じられない」と称賛のコメントばかりで、異議は申し立てられず。審議開始から約15分、他国に比べて短時間で決定が発表され、会場に集まった人々は歓喜の声を上げた。

 もともと5日に登録が想定されていたこともあり、2日間とも長時間にわたり発表の瞬間を待ち続けていた人々が大半だった同会場。「ニサンザイ古墳(堺市北区)近くに住む親子は、「昨日は17時半から23時まで、今日も夕方までずっと待っていました。16年前に家を買うきっかけとなったのが、窓から見えた美しい古墳の景色。年月をかけ整備され、きれいになったのを見ていたので、楽しみに待っていました」と、話した。

 また、『堺おおいずみロータリークラブ』の一員である女性は、「反正天皇陵古墳(田出井山古墳・堺市堺区)がすぐ近く。父と一緒に約10年前から活動して、オリジナルののぼり旗も2代目。学校のレクリエーションも古墳だったり、古墳とともに育ってきました。とにかく感無量です」と、満面の笑顔を浮かべた。

 こちらの古墳群は4世紀後半から6世紀前半にかけて、堺市・羽曳野市・藤井寺市で230基以上造られたと言われており、現在は89基(うち49基が世界遺産に登録)が現存。公園・学校・工場内にあったり、隣に家が建っていたり、「こんもりした緑が見えたら、古墳だなって。特別なものに感じないぐらい」という声もあったほど、周辺市民にとって身近な存在だ。

 今回の登録で世界からの観光客が訪れる可能性が高くなった「百舌鳥・古市古墳群」。堺市民の日常に溶け込んだ古墳だからこそ、今後の施策に注目が集まっている。

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