今年も無事故へ、巨大「茅の輪」をドライブスルー 京都の神社で夏恒例の自動車専用おはらい

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 毎年6月末になると、各地の神社で「茅の輪くぐり」が行われる。イネ科の茅[かや]を人一人通れるくらいの大きさに編んだ輪が境内に置かれ、その中を参拝者が8の字にくぐり、半年間の罪や災厄をはらう行事だ。ところで、数多くの神社がある京都には、全国的に珍しい自動車専用の茅の輪くぐりがある。この夏も、自家用車やオートバイに乗った参拝者が数多く訪れ、ドライブスルーのように通り抜けて交通安全を祈願している。

 自動車専用の茅の輪が置かれるのは、旅行や交通安全の祈願で知られる城南宮(京都市伏見区)。毎年6月25~30日の人間の茅の輪くぐりに続き、7月1~7日に「愛車[おくるま]の茅の輪くぐり」が行われる。

 境内西部の駐車場に置かれた茅の輪はアーチ型で、高さが4メートル近くある。参拝者は愛車に乗ったまま、神職の「進め」や「止まれ」の合図で茅の輪近くにまで進入。神職のおはらいを受けて護符を受け取った後、低速で茅の輪をくぐる。

 城南宮によると、乗用車だけでなく、軽トラックやバイク、時には観光バスも参拝に訪れる。過去にはオートバイ「ハーレーダビッドソン」の愛好者グループが集団で訪れたこともあったという。

 1992年に、当時の宮司が発案して始めた。7日間の期間中に京都を中心に各地から約2千台が訪れるという。城南宮の山本弘毅権禰宜(44)は「今年は車の事故が多かった。いつも以上に安全を祈念しています」と語る。初穂料は不要だが、寄進は受け付ける。

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