世界遺産・上賀茂神社(京都市北区)に、境内を流れる名水で淹れるコーヒーを味わえるお休み処「神山湧水珈琲 煎(こうやまゆうすいコーヒー せん)」が4月10日にオープンし参拝客に好評だ。
2600年の歴史のなか、初めて完成した常設お休み処がコーヒースタンドとなる。こちらでいただけるのは、ご祭神、賀茂別雷大神が降臨したとされる神山から流れくる名水「神山湧水」で淹れたコーヒー。「味の素AGF」による式年遷宮記念文化事業(2015年から実施)の一環として、同社が湧水に合うよう開発したブレンドコーヒーをイベントで提供し、参拝客から人気だったことから実現にいたった。
「昨年の夏は猛暑でしたから、参拝の方々に自由に休んでもらえる場をつくりたかったんです。ここで休憩してから、広い境内をゆっくりめぐっていただけたら」と、上賀茂神社の田中安比呂宮司。休憩スペースとなる「憩いの庭」の設計を、新進気鋭の建築家・長谷川豪さんに依頼した。
屋根はないが、境内に古くから立つ巨木が涼しい木陰を作ってくれる。その苔むした巨木と白砂を囲むようにヒノキの縦格子で、大きな円形のベンチが設えられた。「外側はヒノキの皮を残し、ここにある木々となじませ、直径18mの巨木の切り株のように見せます。内側は白木と白砂によって、明るく清らかな別空間を演出しました」と長谷川さん。2600年以上に渡る上賀茂神社の歴史を表現するため、2600本のパーツが使用され、歴史と現代の融合が試みられている。背もたれの高いベンチに体をあずけて座れば、ヒノキのすがすがしい香りのなかでゆったりとコーヒーを味わえる。
料金はホットとアイスがあり、各400円。平日は約100杯、週末には250杯ほど注文され、とりわけアイスコーヒーは水のおいしさが感じられると評判は上々だ。上賀茂神社の門前菓子として知られる、「葵家やきもち総本舗」のやきもち2個とコーヒーのセットもある。営業は10時から16時まで。
上賀茂神社内 憩いの庭及び社務所横「神山湧水珈琲|煎」 https://www.agf.jp/concept/kouyama/
(Lmaga.jpニュース・宮下亜紀)