カシャッ。書店に響くシャッター音。見れば、本を広げスマホを向けている男性がいます。店頭の雑誌や書籍を撮影する「デジタル万引」は、スマホの登場以来、書店関係者を悩ませる問題です。作家たちはどう考えているのでしょう。人気漫画家カメントツさんに聞きました。
理由は…ファンを守るため
〈トラブルにまきこまれないために…本屋さんで撮影をするのはやめよう!〉
人気漫画「こぐまのケーキ屋さん」(小学館)の作者で、京都精華大学マンガ学部の講師も務めるカメントツさん(32)は今から約1年前の2018年2月28日、自身のツイッターアカウントにて書店内でのスマホ撮影について啓発のイラスト作品を投稿しました。
-なぜこの投稿を
「自分の作品のファンがトラブルにまきこまれないためと、誤解による書店員さんの手間を減らしたい気持ちで制作しました」
トラブルとは「デジタル万引」のこと。投稿した日は自身の単行本「こぐまのケーキ屋さん」(小学館)発売の前日。自身のファンが店頭の新刊コーナーを写真に収め「もう店頭に並んでいました」「こんなに平積みされていました」とファン同士で情報交換し、デジタル万引と勘違いされないようにと、ファンを守る気持ちからの投稿でした。
〈どうしても撮影したいときは、買ってから店外で撮影しよう〉〈棚を撮影して良いか店員さんにきこう〉と具体例をあげアドバイス。分かりやすさが共感を得て、ツイートはリツイートが2万2千超、いいねが2万4千超と拡散しました。
「注意喚起は書店さんを中心に拡散し多くの人に見てもらえる結果になり、良かったです」とカメントツさんは語ります。