人気作家カメントツさんに聞く「デジタル万引」問題

金井 かおる 金井 かおる
書店店頭での撮影マナーを啓発するカメントツさんの作品(カメントツさん提供)
書店店頭での撮影マナーを啓発するカメントツさんの作品(カメントツさん提供)

「生活を奪いかねない」

 「デジタル万引」という言葉が登場したのは2003年夏。日本雑誌協会と電気通信事業者協会が7~8月の雑誌愛読月間に合わせキャンペーンを開始した際の造語です。「店内でカメラ付き携帯電話などを使って情報を記録することはご遠慮ください」とマナー向上を訴えるポスターを3万枚作製し、全国2万店の書店に配布しました。

 当時の兵庫県書店商業組合理事長は同年12月、神戸新聞社のインタビューに「作家をはじめ、本をつくる人たちの生活を奪いかねない。インターネットの普及などで、映画や音楽にも共通の問題です」とデジタル万引の深刻さを訴えていました。

 「デジタル万引」という言葉が誕生してから16年。カメラ付き携帯電話はスマートフォンに進化し、消音機能のあるカメラアプリやSNSが普及。ツイッターやインスタグラムのタイムラインには、雑誌の表紙や記事を撮影した写真があふれます。著作権法への抵触を指摘する声もあります。

マナーとして考えて

 カメントツさんは、作品が書店で平積みされている様子をSNSに掲載したくなる気持ちはとてもありがたいとした上で「静かな書店でシャッター音が鳴り響いたりしますと書店員さんに不要な確認をさせてしまう結果になったり、そもそも店内撮影自体が禁止されている書店さんが多いです。平積みの棚を撮影してSNSに掲載することに関しては、宣伝効果もあるので書店さんの許可があればぜひやって欲しいことなのですが、難しい問題です」。

 カメントツさんはこう結びます。〈一概にゼッタイダメ!!というルールではないが、マナーとしては一般的なのでやっぱり気をつけよう〉

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