猫カフェなのに「猫の屋おでん」 命名に込められた深~い意味とは

岡部 充代 岡部 充代

 実は、こうした保護猫が猫カフェに譲渡されることはほとんどないそうです(お客様への譲渡を目的とした「保護猫カフェ」とは趣旨が異なる)。なぜなら、保護主は猫が家族の一員として迎えられ、家庭猫として穏やかに暮らしていくことを望んでいるから。猫カフェスタッフという“職に就く”ことは、できれば避けたいのでしょう。

 ただ、猫の屋おでんのオーナーは、あえてその状況を作りました。

 「ペットショップで売られていた猫も、飼い主がいなくて保護された猫も、みんな同じ猫なんです。保護猫に純血種はいないと誤解している方もいるようですが、そんなことはありません。保護猫という存在自体を知らない方もいれば、存在は知っていても今は迎えられないから、保護猫カフェや譲渡会はハードルが高いと感じている方もいる。純血種が多い猫カフェにさくらねこを迎えることで、知るきっかけを増やしたいと思ったんです」

 さまざまな種類の、さまざまな経歴のある猫をスタッフに置くことで、新しいタイプの猫カフェを作ろうとしたわけです。もちろん、何らかの理由でスタッフに向かないと判断すれば、その時点で家庭猫に“キャリアチェンジ”する予定です。

 「猫と触れ合いたい、珍しい種類の猫を見たい、猫を飼うことを検討している、保護猫を迎えたい…ここへ来てくださる理由は何でもいい。猫を飼いたい方にはそれぞれの猫種のデメリットも含めた特徴をお伝えしますし、保護猫を迎えたい方には保護団体や譲渡会をご紹介することもできます。人と人、人と猫のつながりの中で、猫に関するあらゆることの“ハブ”のような存在でありたいですね」

 さて、店名の由来は分かりましたか?おでんにはいろいろな具材が入っていて、だからこそいい出汁が出ます。そして、ほっこりとしてあたたかい気持ちにしてくれる。「猫の屋おでん」はそんなお店です。

▼「猫の屋おでん」 http://nekonoya-oden.com/

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