猫カフェなのに「猫の屋おでん」 命名に込められた深~い意味とは

岡部 充代 岡部 充代

 4月11日、神戸市灘区に猫カフェがオープンします。その名も「猫の屋おでん」。なぜ、おでん?オーナーご家族のお話から、その答えが見えてきました。

 阪急電鉄・王子公園駅から歩くこと約10分。住宅地の一角に「猫の屋おでん」はあります。「家で暮らす猫を見て、猫を飼うイメージをしてもらいやすいように」と、オーナーが自宅を改装して作ったのです。

 猫カフェの構想は6年前にスタートしました。全国の猫カフェを巡り、物件探しも随時。でも「夜に鍵を掛けて猫だけ置いて帰るのがどうしてもイヤだった」と言うオーナーは、最終的に自宅での開業を決めます。ガラス張りの明るい室内にはソファーやテーブル、キャットタワーなどが並び、猫たちが自由気ままに遊び、眠り、食事をして…その姿はまさに「自宅」でくつろぐ猫そのものです。

 スタッフ猫は全部で9匹。映画「E.T.」のモデルといわれるスフィンクスをはじめ、ベンガル、エキゾチックロングヘア、スコティッシュフォールドと、滅多にお目に掛かれない猫種からなじみの猫種まで、さまざまな種類がいます。

 そして、迎えた経緯もまた多様。いわゆる「適齢期」を過ぎてしまい、ペットショップから直々に頼まれた猫、廃業したブリーダーから迎えた猫、事情によりどうしても飼えなくなった飼い主から引き取った猫…。

 その中に、耳先を桜の花びらの形にカットした「さくらねこ」がいました。名前は「まる」。猫の保護・譲渡活動を行っているNPO団体から迎えました。「さくらねこ」とはTNR活動(T=Trap/捕獲し、N=Neuter/不妊去勢手術を施し、R=Return/元の場所に戻す)によって手術済の猫を指す通称。耳先カットがその目印となり、2度目、3度目の不必要な捕獲を防ぐことができます。手術の麻酔時にカットするので、猫が痛みを感じることはありません。

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