飲食店のトイレで、3歳の女の子がひとりでトイレへ入ってきた姿を見て仰天。心配になって話しかけた女性の話が話題に……。
その際のエピソードをSNSに投稿したミナさんは、「ここで待ってるから、行っておいで」「すぐそばだから、大丈夫」と子どもをひとりでトイレに行かせる親・保護者に向けて注意喚起。
夏休みや帰省で外出が増える時期だからこそ、「トイレをひとりで上手にできたとしても、トイレには危険がいっぱいです。絶対、保護者が見守ってほしい」と訴えます。
声をかける人=善人とは限らないのに
ミナさんが、3歳頃の女の子に遭遇したのは人気の飲食チェーン店。その日も、店内の席は8割ほど埋まっており、レジに列ができるほどの混雑具合でした。
お店の出入口のそばにあるトイレで個室スペースのドアを閉めようとしたら、ちょうどトイレに入ってきた女の子と目が合いました。母親らしき保護者が後ろを付いてくる様子はありませんでした。
「 “先に入る?”って聞いたら、“うん!”と返事があったので譲りました。ドアの鍵をかけられなかったし、ひとりでできるのかな?と心配で、“おばちゃん、外にいるからなんかあったら言ってね”と伝えて、出てくるまでドアの前で待機しました」
トイレが終わると、女の子は店内で食事をしている両親のもとへ戻って行ったそう。時間にすると、ほんの数分間のできごと。
「トイレはちゃんと出来ていて、お利口さんだなと思いました。でも、女子トイレの向かいには男子トイレがあるし、近くには出入口もあるから気になって……。目の前に駐車場があるから、さっと担がれて、車に入れられたら絶対わからないと思いました。店員さんも忙しそうで、トイレに女の子がひとりで行ったことには気づいていないようでした」
ミナさん自身、幼い頃に大人の目が届かない状況で怖い思いをした経験があることから、「“何かあってからでは遅い“とおせっかいおばさんを発動させました」と振り返ります。
食事を楽しむ席から両親のどちらかが女の子の様子を目で追っていたら、安心感を持ったと言いますが、「ご両親は、私が声を掛けていることにも気づいていらっしゃらなかったです」。
女の子がトイレに行く様子やトイレを終えて戻る様子からも、日常的に子どもひとりでトイレを利用させているのでは?と確信に近い気持ちを得たそう。
「あんなに小さい年齢なのに、スムーズにトイレに来たし、声を掛けられることにも慣れている感じでした。もしかしたら、行く先々で、心配に思った方から声をかけてもらっていたりするのかもしれません。いつでも親切な人がいるとは限りませんし、声を掛ける人=安全な人とは限りません。でも、声を掛けてきたやさしい人が多いと、声を掛ける人=安全な人と思ってしまいます。今後、あの女の子が事件に巻きこまれないことを祈ります」
「一瞬の油断」が「一生の傷」になる
「今の時代、日本は安全!田舎は安全!は通用しません。女の子でも男の子でも単独でのトイレ利用は本当に怖いです」
これまでも商業施設や飲食店などでひとりでトイレを利用する子に出会ってきたというミナさんは、そのたびにおせっかいおばさんを発動。
「ひとりでトイレを利用する子、子どもひとりでトイレに行くことに慣れている親御さん、多いです。でも、これに関しては親も子どもも慣れてはいけないと思います」
男女問わず、幼い子のひとりでのトイレ利用を狙う人は、ターゲットとなる対象者や犯罪を実行しやすい場所を探し出し、絶好のタイミングを狙っています。2011年に熊本県の商業施設のトイレで発生した幼女殺害事件など、これまでにも多数の不幸がありました。ただ、それらの事件を認識していたとしても、なじみのある場所であると油断する可能性を示唆します。
「幼い子がトイレにひとりで入って行ったことを、企んでいる人にとってはチャンスに思えるかもしれないし、そのつもりがなかった人でも頭によぎるかもしれません。
誘拐、性加害、盗撮、どれにしても傷つくのが小さな子どもだということを親は認識しなければいけません。子どもは大人より力も弱く、自分の身を守ったり、助けを求めたりすることが難しい存在です。たとえ命が無事でもその子にとって一生の傷を背負うことになる。
だからこそ、自分で危険を判断して身を守れる年齢になるまでは、大人が責任を持って見守ることが大切だと思っています」
政府広報オンラインでは、2026年5月に発表した「こどもを性被害から守るために周囲の大人ができること」で、若年層の性被害「中学生以下」が約37%であること(※1)を記し、子どもが犯罪と認識できず、抵抗しない可能性も指摘。だからといって、子どもの心身に傷やトラウマが残らないわけでは決してありません。
そのためにも、子どもに「水着で隠れる部分(プライベートゾーン)は見せない・触らせないこと」「相手のプライベートゾーンを見ない、触らないこと」「イヤな触られかたをされそうなときは、『イヤだ』、『やめて』と言ってもいいこと」をしっかり教えてあげる大切さを促しています。
どんな親も我が子が危険にさらされるなんて想像していません。また、想像したくもありません。自分や自分の家族には無縁のことだという気持ちが抜けないこともあるでしょう。
しかし、「少しだけだから大丈夫」と思ったその隙間に、思いがけない事故や事件はしのび寄ります。「少しの時間でも」「すぐそばでも」、目と手が届く範囲での見守りを。親子・親戚・友達での夏のお出かけの際に忘れないでください。
(※1)資料:内閣府男女共同参画局「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果報告書(令和4年3月)」より政府広報室作成
政府広報オンライン「こどもを性被害から守るために周囲の大人ができること」