急速に普及するAIは、企業の採用現場にも影響を及ぼし始めています。レバテック株式会社(東京都渋谷区)が運営するAI人事プラットフォーム『NALYSYS』が実施した「AI面接導入」に関する実態調査によると、約7割の企業が書類選考の「縮小・廃止」を検討していることがわかりました。
本調査は、新卒・中途採用において課題を感じている企業の担当者1625人を対象として、2026年2月にインターネットで実施されました。
まず、「現在の採用活動における課題」を聞いたところ、「応募者数の不足」(45.2%)、「採用コストの高騰」(34.6%)、「面接官ごとの評価基準のバラつき」(34.2%)が上位に挙がり、人手不足などの外的要因だけでなく、選考における評価精度の担保に課題を感じていることがわかりました。
次に、「生成AIの普及による書類選考への影響」を聞いたところ、AI面接を導入している企業の約7割が「生成AIの普及によりエントリーシート(ES)等の書類選考で、人物の見極めを行うことが難しくなった」(69.7%)と回答。
また、「人物の見極めを行うことが難しくなった」と回答した企業のうち、13.8%がすでに「書類選考を廃止」、現在、書類選考の廃止はしていないものの、「今後廃止を検討している」(34.1%)や「廃止はしないが選考における重要度を下げる予定」(38.8%)など、約7割の企業が書類選考の縮小・廃止へと動いていることが明らかとなりました。
そこで、「AI面接導入前後の選考プロセスの変化」を聞いたところ、「書類選考の通過基準を緩和し、AI面接に進める人数を増やした」(53.2%)、「書類選考を廃止し、応募者全員がAI面接を受けられるようにした」(33.5%)など、より多くの候補者に面接の機会を提供できるよう、選考プロセスを「間口を広げる」方向へ変更している様子がうかがえました。
続けて、「AI面接の評価・スコアを実際の合否判断にどのように活用していますか」と聞いたところ、「AIのスコアのみを見て、自動的に合否を決めている」(38.1%)と回答した企業は4割未満にとどまった一方、「明確な高評価・低評価はAIスコアで判断し、判断に迷う『ボーダーライン層』は人間が動画を見て合否を決めている」(36.7%)や「AIスコアは参考程度にし、基本的には全応募者の動画を人間が確認している」(21.6%)など、6割以上がAIスコアを参考にしつつ人間が最終確認を行う「ハイブリッド判定」を実施していることがわかりました。
AI面接を導入した結果、86.7%の企業が「満足している」と回答。AIを導入して得られた「メリットや成果」として、「従来の書類選考基準であれば不合格にしていた層から、優秀な人材を採用できた」(62.4%)、「選考にかかる時間・工数を削減できた」(52.8%)、「面接官との相性に左右されない公平な評価ができるようになった」(37.6%)といった意見が挙げられ、効率化を実現するだけでなく、採用の“質”を引き上げる効果を発揮している実態が明らかになりました。
最後に、「AIを使って候補者の企業への志望度を上げることは可能だと思いますか」と聞いたところ、「今は難しいが、将来的には可能」(53.3%)、「可能であり非常に有効」(17.5%)、「今の技術でも可能」(16.5%)など、AIのアトラクト効果を実感・期待している様子が見て取れました。
また、「今後、AIを選考に活用することで期待する効果」としては、「評価基準を標準化し、公平・客観的な選考を実現すること」(33.9%)、「選考の精度を高め、入社後のミスマッチや早期離職を減らすこと」(32.1%)などに回答が集まり、AIに対して単なる業務効率化ではなく、採用の「質」の担保と、その先の「定着」までを見据えた本質的な支援を求めている実態が浮き彫りになりました。
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【出典】
▽レバレジーズ株式会社/【AI面接導入に関する実態調査】回答者1625人アンケート調査
https://leverages.jp/news/2026/0318/5733/