AIを活用したサービスが多数登場する中、新卒採用にも「AI面接」が導入され始めています。サービスによって運用方法は多少異なりますが、主に「面接官役」が人間ではなく、AIに対して回答し、AIの判定を参考に合否を決める仕組みです。
現時点ではまだまだ発展途上の面接形式である「AI面接」を一足早く受けたことがある学生の「AI面接を受けてみての感想」を集めてきました。
「リアクションがないから回答がよかったのかわからない」
Aさん(関東在住、20代、学生)はIT系企業を中心に就職活動し、20数社の面接を受けたなかで1社だけアバターに対して回答するスタイルのAI面接を受験したことがあります。
オンライン上で実施されるWeb面接はインターンシップの応募から多数受けていたこともあり、画面上でのコミュニケーションには慣れていたため、アクセスや進行で手間や難しさを感じることはなかったそうです。
「AI面接で良かったなと思ったことは、面接希望日時の調整が必要なかったことですね。指定された期間のなかで、こちらの希望通りの日程でお願いすることができました。特に授業を休まなくてよいので、夜間や土日もOKなのは良かったと思います」
確かに、AIなら社員である面接官の「休日」や「勤務時間」を調整する必要がなく、それは応募者にとっても大きなメリットです。
「デメリットは、面接自体がうまくできている気がしないことですね。普通の人の面接官なら頷きやちょっと困った顔や笑顔になるとか、多少リアクションしてもらえて『今の発言は良く伝わらなかったかも』『いい回答ができた気がする』ってわかりますよね?AIだとすべて同じ反応だから、調整できないというか。幸い合格はしていましたが、正直手応えはなかったです」
将来はそのような「適度・適切なリアクション」もAIが学習するようになるのでしょうか…?
「面接官の当たりはずれがないのはいいかな」
Bさん(関東在住、20代、学生)のAI面接経験は2回です。友人は一度も受けたことがない人の方が多く、2回受けたことがあるBさんは珍しい方なのだとか。
そんなBさんはAI面接賛成派です。「圧迫面接とまではいかなくても、口数が少なくてコワイ雰囲気の面接官に当たるとか、自分には合わないタイプの面接官に当たるとか当たりはずれがあると思うんですよね。実際同じ会社を受けた人の面接体験記を読んで『面接の雰囲気が全然違うな』と感じること少なくないですし。AI面接だとそういう不公平感がないのはいいことだと思います。あと、AI面接をする代わりにESを廃止して全員面接してくれるっていうのもいいなと思いました!」
今後のAI面接導入が企業規模や職種を問わず拡がっていくかは、面接を受ける側の意見にも大きく影響を受けそうですね。
「面接は色々な社員に会える機会でもあると思う」
Cさん(関東在住、20代、学生)の受けたAI面接は「動画面接」の延長線上のようなタイプで、2回までトライできたこともあり、落ち着いて受けることができたそうです。
いわゆる「想定質問」の範囲内の質問がほとんどだったため、普通の面接練習をしておけば特に不安に感じる必要は感じなかったとのことでした。
ただ、就職先を選ぶ機会としての面接という意味では、マイナス面があったそうです。
「社内の雰囲気や人間関係を重視するなら、年次や役職が違う人にたくさん会う必要があると思うんです。AI面接はその機会がなくなるということですよね…」
確かに「選ばれる会社」になるための機会損失という側面は企業側にとっても見過ごせません。
AI面接経験者は、25卒・26卒ともに全体の3割弱
リクルートマネジメントソリューションズが調査した「採用CX(候補者体験)に関する意識調査(2025)」によると、2025年卒と2026年卒のモニター学生ではAI面接の経験者は約3割弱とまだまだ少数派のようです。
また経験に関わらず「人に評価されたい学生は63.0%、AIに評価されたい学生は15.8%」と積極的にAI面接を評価する学生は15.8%と低く、普及には意外と時間が必要かもしれません。
【参考】
▽株式会社リクルートマネジメントソリューションズ|採用CX(候補者体験)に関する意識調査(2025)
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/8709951716/