tl_bnr_land

「マスクなんかするから免疫が弱いんだ!」病院でのマスク着用を否定する声に医療関係者が嘆き…「病院内での1枚のマスク」が持つ意味とは?

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

「見た目」ではわからない脆弱さを想像する力を

こうした患者さんにとって「マスク」は、「失われた免疫の防御を外側から補う文字どおりの『盾』になります」と、舛森先生は言う。

「小児がんの患者さんだけの話ではなく、臓器移植後に免疫抑制剤を服用されている方、関節リウマチなどの自己免疫疾患で免疫を抑える治療を受けている方、高齢で免疫力が低下している方……一見お元気そうでも、実は免疫が弱い状態にある方々は私たちの想像以上に社会の中にたくさんいらっしゃいます。そういった『見た目ではわからない脆弱さ』を想像する力が大事なのではないでしょうか」(舛森悠さん)

それは「あなたの命を大切に思ってる」の意思表示

だからこそ、目には見えない事情を抱えた人がいる可能性が高い「病院内」や「院内のコンビニ」などでは「マスクの着用」が必須なのだという。

「長く入院されている方々にとって、『院内のコンビニ』で自分の好きな飲み物を選んだり雑誌を手に取ったりする……そんな何気ない行為が、『自分はまだ日常や社会とつながっているんだ』と感じられる瞬間になるんです。特に普段は『患者』であるお子さんたちにとって、コンビニに行ける時だけは少しだけ『ふつうの子ども』に戻れるかけがえのない時間なのだと思います。

だからこそ、その場所が安全であることが重要です。大げさに聞こえるかもしれませんが、院内で1枚のマスクをつけることは、『あなたの命を大切に思っています』という意思表示だと私は考えています」(舛森悠さん)

大事なのは「想像力」を持つこと

それでも、医療関係者が「院内ではマスクをつけてほしい」と訴えることに反発を覚える人も少なくない。

「誰かを責めたいわけではないんです。ましてや、個人の自由を否定したいからでもありません。マスクをつけることはその人の自由を制限することではなく、病院という場所には目に見えない事情を抱えた人がたくさんいて、その1枚が隣にいる誰かの『明日を生きる可能性』を守っている、ということなんです。

医療者として日々感じるのは、『正しさ』で人を動かすことの限界です。『マスクは科学的に有効です』という説明だけでは心に届かないことがある。それはコロナ禍を通じて私たちが痛いほど学んだことだと思います。

病院で自分の隣に座っている人が、明日大きな手術を控えているかもしれない、抗がん剤の副作用で免疫が限りなくゼロに近い状態の人かもしれない。そういった事情は目には見えません。もしかすると隣にいる人が……という想像力を持ってくださる方が増えたら、医療者としてこれほど嬉しいことはありません」(舛森悠さん)

◼︎医療情報の発信を行う舛森悠先生のYouTubeチャンネル「YouTube医療大学」

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース