ワイパーは雨や雪の日に欠かせない必需品です。ワイパーの拭き取りが悪くなると、前方視界不良となり安全運行に支障をきたすので非常に危険です。
ワイパーは比較的、交換頻度の多い消耗品ですが、注意点さえ理解すれば工具も不要なケースがほとんどで、自分で交換することは難しくありません。
この記事では自分で交換するか車屋に依頼するか迷っている人や、自分の車に合うワイパーが分からないという人に分かりやすく、以下のようなことを解説しています。
・ワイパーの交換にかかる料金の比較(各業者の料金比較つき)
・失敗しないワイパーの選び方
・ワイパーの交換時期と長持ちさせるコツ
ワイパーの交換は自分でできる!
ワイパーは消耗品で、定期的な交換が必要な部品です。消耗品のなかでも、カー用品店やホームセンターで手に入りやすく、自分で交換するハードルが高くないパーツのひとつです。
ただし、ワイパーは運転席と助手席側で長さが違うだけではなく、車種やその年式によっても長さが異なります。また、ゴムの形状も複数のパターンがあるので、購入する部品の選定には注意しなければいけません。
ワイパーで交換が必要な部品は2つ
ワイパーを交換するときに必要な部品には、2つのパターンがあります。
・ワイパーゴム(ワイパーラバー)
・ワイパーブレード
「ワイパーゴム」はその名称のとおり、ゴムの部分のみを交換するときに必要な部品です。
一方で「ワイパーブレード」はワイパーゴムが取り付けられている骨組みのことを指します。一般的にワイパーブレードには、ワイパーゴムがセットで付属しています。
ワイパーを構成する部品には、ワイパーブレードが取り付けられている「ワイパーアーム」、ワイパーを作動させる「ワイパーモーター」、ワイパーモーターの動力をワイパーアームに伝える「ワイパーリンケージ(リンク)」があります。
ワイパーの寿命、交換時期の目安
ワイパーゴムの交換はおおむね1年ごとをおすすめします。ゴム部品は紫外線による影響を受けやすいためです。
また、快適に車を使い続けるためには以下のようなワイパーゴムの寿命となる症状が出る前に交換することが推奨されます。
・拭き取りが悪くなった
・拭き取りにムラがある
・ワイパーにビビりが発生
・ゴムに変形が見受けられる
・ゴムが千切れている
屋内駐車であったり、ワイパーの使用頻度が少ないといった場合にはそこまで劣化が進んでいないこともあるので、寿命の目安を参考にしながら実際にワイパーを点検して、交換の必要有無を判断しましょう。
ワイパーの種類
カー用品店などで販売されているワイパーにはいくつかの種類があります。ワイパーゴムの種類と、ワイパーブレードの種類に分けて解説します。
▽ワイパーゴムの種類
ワイパーゴムの種類には一般的に以下の3つのタイプ+雪用タイプの計4つに分けられます。
【ノーマルタイプ】
特殊加工がされていないノーマルタイプで、もっとも安価なワイパーゴム
【グラファイトタイプ】
グラファイトと呼ばれる炭素の結晶をコーティングして、摩擦抵抗を減らしたもの。メーカーに純正採用されているタイプ
【撥水タイプ(シリコート)】
撥水性能を持つシリコンゴムを採用し、使うことでガラスに撥水コーティングをしてくれる
【雪用タイプ】
ワイパーゴムの性能に凍結しにくさをプラスした専用タイプ
▽ワイパーブレードの種類
ワイパーブレードにもいくつかの種類があり、主に以下の3つの形状がラインナップされています。
【トーナメントタイプ】
もっともベーシックなワイパーブレードで、金属製フレームを採用。ブレードの複数箇所に可動部があるので、ガラスに沿ってゴムが当たりやすい構造。
【フラットタイプ】
従来、輸入車で多く取り入れられていたタイプ。ブレードとゴムが一体になったようなシンプルな見た目。空気抵抗を利用してワイパーをガラスに密着させる作りで、高速走行時にも安定した性能を維持できるようになっている。
【デザイン(エアロ)タイプ】
トーナメントタイプとフラットタイプのメリットを合わせたタイプ。ブレードに可動部があるのでガラスに沿ってゴムがしっかりと当たり、なおかつ空気抵抗を考慮されたブレード形状で安定した性能を発揮します。「デザイン」という名の通り、スタイリッシュな見た目も魅力のひとつ。
ワイパーの選び方
ワイパー選びは予算や性能に応じて自分に合ったものを選べば問題ありません。ただし、取り付け部分の形状が合わずに装着できないケースが、ブレード・ゴム共にあるので注意しなければいけません。
まずは、ワイパーブレードごと交換するのか、ワイパーゴムのみ交換するかを決めておきましょう。利用シーンごとに分けておすすめのワイパーを紹介します。
▽降雪地帯・寒冷地では雪用タイプがおすすめ
降雪地帯・寒冷地で車を使用している方は、真冬の寒い時期でもワイパーの機能を損なわないように、雪用タイプのワイパーゴム・ブレードの使用をおすすめします。
雪用はゴムや樹脂のカバーで部品を覆う構造で凍結しにくくなっており、またブレードにはステンレスを採用するなど、融雪剤の影響による錆の発生からも守ります。
▽クリアな視界を求める場合は撥水タイプ
フロントガラスは撥水加工させることで、良好な視界を確保しやすくなります。
フロントガラスに直接、撥水コーティングを施行する方法もありますが、撥水タイプのワイパーゴムを使うことで撥水被膜を形成させることもできます。
また、すでに撥水コーティングをしている場合にはノーマルゴムだとビビりが発生することがあるので、この場合にも撥水タイプのゴムを選ぶことをおすすめします。
▽高速走行が多い方はエアロタイプやフラットタイプがおすすめ
高速走行時も安定したワイパーの拭き取り性能を求める場合には、エアロタイプやフラットタイプのワイパーブレードでの交換がおすすめです。
最近では純正採用も増えており、元から標準装備であることも多いです。
また、輸入車は標準でフラットタイプが採用されていることが多く、ホルダーの形状が異なることからエアロタイプの適合は、慎重に確認する必要があります。(※トーナメントタイプにする場合も同様)
▽【補足】車に装着可能な種類に注意
ワイパーブレードの種類によっては、純正装着のものとは取り付けホルダー部の形状が異なるため、別売りの取り付けホルダーの購入が必要なケースがあります。
また、ワイパーゴムの形状にもいくつかの種類があります。
ゴムのみを交換するときは、現在装着しているワイパーブレードの形状を確認して、適合するワイパーゴムを選ばなければ取り付けることができないので注意が必要です。
各ワイパーメーカーの、車種別適合表は自社のワイパーブレードまたは純正ブレードが装着してあることを前提としたものとなっています。