フロントガラスの油膜は、運転時に前方の視界を妨げる要因のひとつです。特に夜間の雨の日は、対向車のヘッドライトや街の灯りが油膜によって乱反射。ギラギラすることで、著しく視界が悪化してしまいます。そんな“やっかいもの”の油膜ですが、そもそも何が原因で起きるのでしょうか。また、きれいに取ったり、付かないようにする対策はあるのでしょうか。現役整備士が解説します。
フロントガラスの油膜と影響について
フロントガラスに油膜がつくことで、安全運転に支障をきたすことがあります。くわしく解説しましょう。
▽油膜とは
油膜はその名のとおり、油分がガラス表面に付着することです。ガラスに油分のあるものをわざわざこぼしたりしなくても、付着することがあります。
空気中の油分が車内に入り込んだりすると、経年によってフロントガラスの内側にも油膜が生じます。
▽油膜がつくとどうなる?
油分は光が当たるとメラメラとギラついたりします。
特に夜間の雨の日は顕著に影響を受けます。対向車のヘッドライトや街の灯りが油膜により乱反射により、著しく視界が悪化し、安全運転に支障をきたす恐れがあります。
また、ワイパーゴムの早期劣化やビビり等にもつながることがあります。
▽油膜がつく原因
身に覚えがないのに、気付くと付着しているフロントガラス外側の油膜。その原因は大きく2つ考えられます。
【大気中の油分のある空気、水による付着】
大気中には目に見えないさまざまな成分が含まれています。分かりやすいものだと、車の排気ガスや工場から出る煙などが挙げられます。また、路面の水溜りの水を跳ねてガラスに付着するといったことも考えられます。このように車の使用環境によって、日常的に自然とフロントガラスに油分が付着する要因がたくさんあります。
【ボディのワックスによるもの】
ボディ(ルーフ)に施工したワックスの成分が、雨で一緒に流れ出してフロントガラスに付着することで、油膜が付着することがあります。また、ガラスの撥水・親水コーティング剤を過度に塗り込んだり、劣化することで油膜の原因になることもあります。
フロントガラスの油膜取りおすすめグッズ3選
自分で油膜取りをしたいと考えている方におすすめの油膜取りグッズを、いくつか紹介します。
▽セルフで出来るおすすめ3選
1:【手軽に油膜取り】クロスで拭き取り
クロスで拭きあげるだけで油膜が取れる商品があります。素人でも手軽に油膜除去できるので、おすすめです。クロスにはあらかじめ、油膜を浮かす成分と研磨剤が含まれています。
2:【洗車ついでに施工がおすすめ】液体コンパウンドを塗り込む
ガラスの汚れを水で洗い流したのちに、スポンジにつけた液体コンパウンド(研磨剤)を塗り込むことで油膜を除去します。弾いていたガラス表面の水が、弾かなくなるまでしっかり塗り込むのがポイント。目視で油膜除去できたか否か確認しやすいので、確実にしっかり除去したい方におすすめです。
3:【プロ向け】業者も愛用する液体コンパウンド
油膜除去剤は非常に多くの商品があるので選ぶのが難しいでしょう。なかには、「ガラスよりも硬いコンパウンド」を謳った除去剤もあります。そういった商品はかなり強力なので、知識がないままにやみくもに施工すると、逆にガラスに傷を付けてしまうこともあります。特徴を理解し、スキルのある人が使えば非常に効果的です。
▽【補足】ウーロン茶や食器用洗剤でも代用できるの?
一部ではウーロン茶や食器用洗剤で油膜の除去ができると話題になっているようです。そういった代用品を使うことについて、問題はないのでしょうか。
さまざまな検証動画やコラムがあり、その内容や結果もさまざまです。なかには、多少なりとも効果の感じるものがあるかもしれません。
しかし、あくまで出先で応急での使用に限り「油膜がマシになればラッキー」程度で考えておくのがよいでしょう。
きちんと、油膜を対処したい場合は、カー用品店で油膜除去剤が数百円で購入できます。大きな負担ではないので、確実に除去するためには専用品を使用することをおすすめします。