「水漏れトラブルを無料で調べてもらったら、50万円の見積もりを出してきてサインしろと迫られている」。大阪の40代メディア系社労士(@sharoukun)さんに届いたオカンからのSOSのLINE。「キャンセルするならキャンセル料が発生する。見積もりにも書いてある」と強引な主張を繰り返す営業マンをどうやって撃退したのでしょうか。悪質商法の被害を避けるためにも知ってほしい対処法です。
実家で水漏れ発生→オカンが緊急水漏れトラブル的な会社に連絡。調査料は無料と。→見積り500000円と言われる。営業マンが今からすぐ修理するからサインしろとオカンに迫る→不安になったオカンからワイに相談があり。ワイから営業マンに他社比較もしたいから一旦キャンセルと電話口で伝える→調査は無料だが、キャンセル料は発生するから今日すぐ払えと言われる
このように、緊張感高まる展開を投稿した大阪の40代メディア系社労士さん。平日の午後6時前にお母さんから「今から修理する」とLINEがありました。電話でいったんキャンセルするよう母に伝えた5分後、母から「営業マンがキャンセル料が掛かるといっているので、直接話してほしい」と連絡があったそうです。
工事していないのに…キャンセル料25万円!
ーー電話ではどんなやりとりが
「『見積もりは無料だが、キャンセルとなるとキャンセル料が発生する』と。ちなみにキャンセル料は25万円でした。それはどこに書いているんだ、と問うと『見積もりに記載してある』と。即日50万円も請求するなんて強盗と一緒だとただすと、『呼ばれたから来たんですよ』と反論されました」
ーー工事していないのに25万円とは無茶苦茶です
「埒が開かないので、(1)今後本件は全て私が対応すること(2)相見積もりをして適正であればお願いするかもしれないが、今、この場では全く払う意思がないこと(3)それ以上求めるなら後日代理人を立てて話をすることを伝えました。見積書も名刺も会社のパンフも契約書も全て置いて帰るように言い、『即日で50万円の契約を迫るなんてどんな気持ちだ』と聞きましたが相手は無言でした」
声の感じから20〜30代と思われる営業マンは、電話でやりとりする前、お母さんに専門用語を並べ立て契約を急かしていたそうです。電話を切った後、「こんなこと初めてだ」と捨て台詞を残して引き上げました。当然ながら名刺や書類を置いていくことはありませんでした。
ホース交換で6800円
水回り修理で思わぬ過大請求を受ける消費者トラブルは全国で多発しています。大阪の40代メディア系社労士さんのお母さんは、住んでいる地域名+水道修理で検索し、表示された080で始まる番号にかけたそうです。検索しましたが、この業者名は分かりませんでした。
悪質営業の翌日、知り合いの業者に相談したところ、作業は劣化したホースの交換だけで済み工賃は6800円でした。「大人2人が来て交換作業をして6800円というのは普通はあり得ないので、通常2、3万の工事を安くしてくださったんだと思います」と話します。
蛇口からの水漏れやトイレの詰まりなど、水回りのトラブルをめぐる悪質業者による過大請求については、自治体や国は注意を呼び掛けています。神戸市は、ネット検索で上部に表示される広告やポストに入っていたマグネット広告で格安料金をアピールする業者を挙げ「トイレがつまり、ネット検索した業者に電話したら見積書もなく口頭説明だけで、便器の取り替えまで必要だと言われ、25万円もの請求を受けた」「台所の排水管がつまり、マグネット広告業者に電話したら初期段階で1万4千円と言われていたのに、次々に作業が追加され最終的に14万8千円もの請求を受けた」といった具体例を示しています。
水回りトラブルが生じた際はどうすればいいのでしょうか。神戸市は上下水道の修繕受付センターの番号を案内しています。この番号は水道料金の検診票にも記載されており「いざというときのために、水道修繕受付センターの電話番号を見えるところに貼るなどしてほしい」と呼び掛けています。