繰り返される無断駐車→出られないよう車で塞いで帰宅→どうなった? 「いいぞもっとやれ」「晒さなくても…」効果テキメンの“撃退法”に様々な反響

黒川 裕生 黒川 裕生

店の駐車場で相次ぐ無断駐車に業を煮やした男性が、ルール破りの車が簡単に出られないよう自身の車で“ブロック”した写真をTwitter(現X)に投稿し、話題になっています。

「弊社駐車場に無断駐車なさっている緑色のフィットの方、私帰りますのであとはよろしくお願いいたします。」

男性の行為に「自分も経験ある」「よくやった」と快哉を叫ぶ人もいれば、「気持ちはわかるがSNSで晒さなくても」と眉をひそめる人、中には「私的制裁に当たるので法的にまずいのでは」と心配する人もいました。何年も前から無断駐車の被害に悩まされ続けているという静岡県沼津市の井草呉服店3代目社長、井草雅彦さんに事情を聞いてみました。

まず緑フィットの顛末を先に書いておくと、近くの飲食店を利用する際に車をとめていたという所有者が翌朝、その店の店主に伴われて謝罪に現れたそうです。駐車場には「ここは井草呉服店の来客用であり、それ以外の利用は有料」という旨の看板が設置してありますが、所有者が外国の方だったということもあり、よくわからないまま間違えてとめてしまった、との説明でした。

井草呉服店の駐車場は、JR沼津駅にほど近い「新仲見世商店街」エリアにあり、駐車スペースは最大12台分。現在は日中に3台、夜間に3台の月極利用がありますが、「満車」状態になることはあまりなく、コインパーキングのような整備もしていないため、一見すると確かにスペースに余裕があるような印象を受けます。

ただ、当然ながら「場所が空いている」からといって「勝手に車をとめてOK」とはなりません。何度も被害に遭ってきたという井草さんは、これまでも警察に通報したり、看板を設置したり、車のフロントガラスに注意メモを挟んだりするなどの手を打ってきましたが、いずれも効果なし。夜間、車が出られないよう駐車場の入り口にロープを張ったところ、それを切って脱出されたことまであるそうです。

「2015年頃から無断駐車の写真を撮って何度かFacebookに投稿し、今回は初めてXに書きましたが、被害はもっと前からなのでこんなのは氷山の一角です。気づいたら車をとめられていて、いつの間にかいなくなっていたという例は数え切れません」と井草さん。「初めてこの辺に来て何となくとめてしまう人や、看板のメッセージを理解していない外国の方などもいらっしゃいますが、今回のように別の車で塞いで様子を見ていると、自分の非を棚に上げて半ギレ状態で抗議してきた人も。特に無断駐車されることが多い一番奥の端は、本来は月極の契約車用スペースで、正規のルールに則って利用している人がとめられなくなるので本当に迷惑なんですよね…」

井草さんの投稿には、SNSでの“晒し行為”を疑問視するなど、ネガティブな反応も少なくありませんでした。しかし井草さんは「自分の名前を出している以上はそれなりの覚悟を持ってやっていますし、こうした批判が来るのも想定内。私の投稿が無断駐車の抑止力になるなら、それでいいと思っています」と言い切ります。

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