「俺は日本人も乗せたんだぞ」ラクダ乗りのおじさんが差し出したノートには先客日本人からの警告が…

中将 タカノリ 中将 タカノリ

「俺は日本人も乗せたんだぞ」

ラクダ乗りのおじさんが自慢げに差し出してきたメッセージノートに目を通すと「これを見た人はすぐに逃げてください!!ぼったくられます!」という日本人の先客からの警告が…

ピラミッドで出会ったラクダ乗りのおじさんとのやりとりを綴った漫画がSNS上で大きな注目を集めている。この漫画を制作したのは海外経験が豊富なウェブライターのりのさん(@ririririnotan)。

りのさんが体験したまさかの展開に、SNSユーザー達からは

「先輩がタイ行った時に日本人相手にぼったくりしてる現地人に"日本人が喜ぶワードを教えてくれ"と言われたので"騙されるな"と教えたらしい。後日空港でソイツを見掛けたが日本人観光客相手に笑顔で手を振りながら"ダマサレルナ!!ダマサレルナ!!"と言っていたそうです」

「漢字、ひらがな、カタカナ、数字と異なる4種類の文字を組み合わせてある日本語って簡単に読める言語じゃないんだろうな…。太平洋戦争の時も日系人は馬車馬のように日本語を解読させられたみたいだし…」

「うちの祖父母もエジプト旅行で"ラクダはぼったくりだから乗らないように"ってガイドさんにさんざん言われたのに、ラクダに乗りたかった婆ちゃんがお金払っちゃって、ピラミッド前で爺ちゃんと喧嘩になったそうです。」

「父が海外旅行したとき、現地の物売りの子供が"タカイヨタカイヨ ボッタクリダヨ"と声をかけてきた話を思い出しました」

など数々のコメントが寄せられている。

りのさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):ラクダのおじさまの第一印象についてお聞かせください。

りの:かなり積極的でした。ピラミッドの敷地内に入るとどこからともなく「案内するよ」と、チップ目当ての現地人に囲まれるのですが、このおじさまは誰よりも積極的に誘ってきました。

中将:おじさまがぼったくりだと知った後はどのように対処されたのでしょうか?

りの:結局ラクダに乗りました。長い旅の経験上、現地の方たちの感覚と我々日本人の感覚には少しズレがあると思っています。たしかにこういった場所ではぼったくりが多発していますし、ピラミッド周辺はとくに悪質なものが多いという声を聞きます。

しかし彼らも商売。言葉も100%通じないので、「たくさんサービスした分チップを奮発してくれ」といったニュアンスのことを、「日本人側が最初に言った料金と違う!ぼったくりだ!」と捉えた可能性も否定はできません。日本人の方が残してくれた警告はとても助かりますが、これだけではおじさまを「ぼったくり」と判断できなかったので乗りました。何より悪い人には見えなかったので(笑)。

中将:たしかにみんなが満足なコミュニケーションを取れるわけではないだろうし、行き違いの誤解やトラブルってあるんでしょうね。しかし、このメッセージを見てもラクダに乗ったりのさんのチャレンジ精神には感服です(笑)。

りのさんは海外でぼったくりにあったことはありますか?

りの:日本人の感覚と現地人の感覚が違うとは言いましたが、私も悔しい思いをした悪質なぼったくりには何度か遭いました。

一番印象に残っているのは、トルコで乗ったタクシーでの出来事です。これは私がしっかり聞き取れなかったこと、紙に書いて確認しなかったことも悪いのですが…タクシーに乗る前に目的地までのおおよその料金を運転手に確認したところ、「14トルコリラ(当時のレートで約800円)」と言われました。

事前に調べていた相場の料金と同じくらいだったので疑うことなくタクシーに乗ったのですが、14トルコリラで止まることはなく、結局到着したときメーターは40トルコリラになっていました。「14トルコリラと言ったじゃないか!」と抗議しましたが、運転手は「俺は40トルコリラと言ったんだ!」の一点張り。「フォーティン(14)」だったのか「フォーティ(40)」だったのかで争いましたが、荷物もトランクの中。お金を払わずに降りて逃げられても困ると思い、渋々払いました。

途中なんとなく同じ場所をぐるぐる回っていたことに気づいたのと、目的地までの相場料金を知っていたので、とても悔しい思いをしました。しかも降ろされた場所は目的地ではなかったんです(笑)。さすがに腹が立ちました(笑)。

中将:それは悪質ですね…海外でお金のやり取りをする時は出来る限り事前確認をしたほうがいいですね。

りのさんの投稿に対しさまざまな体験談やコメントが寄せられてましたが、反響へのご感想をお聞かせください。

りの:個人的にとても面白かったエピソードなので、たくさんの方に共感いただけて嬉しいです。今は海外に行きづらいこともあり、こういった旅でのあるあるやクスッと笑えるエピソードについ反応してしまったという方も多いのかもしれません。

「ほっこりしました」「また旅に行きたくなりました」というようなメッセージもたくさんいただいたので、またいつか海外へ安心して行ける日までのモチベーションに少しでも貢献できたのかなぁ、と思うと投稿して本当によかったと思います。

「りの」さん関連情報
Twitterアカウント:https://mobile.twitter.com/ririririnotan
「拝啓、世界であわてふためく女子たちへ 旅先のトラブル解決します」(雷鳥社): https://www.amazon.co.jp/gp/product/4844137484/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=rino110207-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4844137484&linkId=65958e1630bfca79cd5a2604d86d282e
◇ ◇

今後コロナ禍がおさまればまた海外に渡る人が増えると思うが、異文化、他言語の地ではくれぐれもコミュニケーションに細心の注意を払っていただきたい。

なお、りのさんは今回の他にもSNSや著書で海外でのさまざまな経験を紹介している。いずれも経験豊富な海外通だからこそ発信できる大変貴重な内容だ。ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

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