目の前のバイクに搭載されていたのは…ある〝アイテム〟だった―。赤信号で停車中に撮影されたバイクの写真が、SNS上で注目を集めている。後方シートには、トゲトゲが生えた青い甲羅のぬいぐるみ。任天堂のゲーム「マリオカート」に登場する「トゲゾーこうら」だ。発見者は、子どもの頃を思い出しながら言う。「あのバイクだけはあおり運転しちゃダメだと、遺伝子に刻まれた記憶が叫んでいる」
投稿したのは、X名・しめ鯖さん(@@zz_saba)。1月上旬、車の助手席に乗っている際、トゲゾーこうらが乗ったバイクを見つけた。
トマリオカートの中で、トゲゾーこうらを投げられると、必ず1位のプレイヤーに届いて直撃する。そのため、あえて警戒して2位以下にいる戦略を取る人もいるほど。「青い悪魔」とも恐れられるアイテムとなっている。
発見者も、子どもの頃からの記憶の積み重ねで「危険なアイテム」だと理解していたという。思わず撮影してXに投稿すると、「やられる予感…」「ゴール直前で投げられたら終わる」「スター取ってからじゃないと追い越しできないね」との返信が並び、大反響となった。
トゲゾーこうらを乗せた理由とは
そして、運転者の男性も「撮ってくれてありがとう」と返信した。神奈川県在住のX名・ざわちんさん(@smallriver1832)だ。
男性によると、ぬいぐるみを設置したのは今年の冬。「寒い時期は手の部分にハンドルカバーを付けているんですが、見栄えが悪い禁断のスタイルなんです。かっこよさを捨てて、かわいさとユーモアに特化しようと考えた結果が、ぬいぐるみでした」と説明する。
ぬいぐるみは3種類あり、トゲゾーこうらのほか、前面には無敵状態になる「スター」、爆発物の「ボム兵」も固定。バイクのシートにマリオのキャラクターを乗せる慣習は以前から存在していたといい、本人いわく「真似した形」だそう。
今回の反響には驚いており、「素敵な返信にニヤニヤしました。トゲゾーこうらの性能を知っている人はトラウマですよね!バイクとの色合いで選んだら、攻撃性の高いアイテムになっていました。バナナやコインにしておけば…」と笑う。
反響後、うれしいこともあった。信号待ちの時、前の車の後部座席にいた子どもたちが、オバケの「テレサ」と仮面を付けた小人「ヘイホー」のぬいぐるみを見せてくれたそう。「こちらも負けじとボム兵を投げるポーズをしたら大笑いしてくれました。もし実際に見かけたら手を振ってくれるとうれしいです」