10月1日から開始予定のインボイス制度に反対する「STOP!インボイス」のオンライン署名が24日、目標としていた50万筆に到達しました。2日前の22日には、日本のオンライン署名としては最多記録だった2021年のコロナ禍における東京五輪の開催中止を求める46万5481筆を抜き、日本トップに。2年近くにわたって粘り強く署名を集めてきた「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」は25日18時半から、制度に抗議する市民の声を届けるべく官邸前アクションを実施します。
インボイス制度は、企業などが取引する際、消費税の税率や税額を記載した請求書(インボイス)を使うルールのこと。課税売上高が1000万円以下の「免税事業者」はインボイスを発行できず、登録を受けるには消費税の申告・納税が課せられる「課税事業者」になる必要があります。このため「フリーや零細企業などで働いている人の負担があまりにも大きい」として、憂慮する意見が続出。特にここ1年ほどは、アニメ、声優業界をはじめ、フリーランスが多い各種団体が相次いで反対声明を出すなど、問題意識を共有する連帯の輪が広がっていました。
STOP!インボイスのオンライン署名は2021年11月にスタート。これまでまとまった数が集まる度に国の担当省庁に提出するなどしながら、情報発信にも努めてきました。今月4日には36万1711筆の署名と緊急提言を財務省、国税庁、公正取引委員会のほか、各政党に提出しています。
ここをゴールとせず、官邸アクションまでに東京五輪開催反対の46.5万筆を上回る「50万筆」集めることを目標に掲げたのは、「問題を報じないメディアと、専門家からも多くの問題が指摘されている制度を止めようとしない政治に、日本一という“数のインパクト”を与えたかったから」と、発起人でフリーライター・編集者の小泉なつみさんは話します。
2022年10月26日には、日比谷野外音楽堂で反対集会を開催。小泉さんによると、それまでに10万筆の署名を集めていましたが、自民党の国会議員に「せめて30万筆ないと話にならない」と鼻で笑われたのだそうです。
こうした経験にも心折れることなく、小泉さんたちは各方面への働きかけと並行して署名活動を継続。そして先述したように今月4日、36万1711筆の署名を関係省庁の担当者に手渡しました。そこからわずか20日でさらに約14万筆を積み上げての50万筆です。小泉さんは「多くの人が抱える不安や危機感の強さ、複雑怪奇な制度の問題点をあらためて痛感しました」と受け止めます。
官邸前アクションに向け、STOP!インボイスは「国内断トツの数となったオンライン署名を岸田総理に届けましょう。そして我々は、インボイス制度が本当に『STOP!』するまで、このオンライン署名で声を集め続けます」と参加や連帯を呼びかけています。
STOP!インボイス @STOPINVOICE