小型人工衛星に寺の機能を持たせた「宇宙寺院」の打ち上げ計画を進める真言宗醍醐派総本山の醍醐寺(京都市伏見区)と人工衛星開発会社が、打ち上げに向けたクラウドファンディング(CF)を始めた。同寺執行の仲田順英さん(59)は「宇宙寺院を世界の平和を心から願う発信の場所にしたい。一人でも多くの方に知っていただき、共有できれば」と呼びかている。
同寺と人工衛星開発会社「テラスペース」(京田辺市)が2020年から計画。人工衛星を「劫蘊(ごううん)寺」と名付け、本尊の大日如来像と曼荼羅(まんだら)を搭載し、地球の衛星軌道上を周回する。
故人の戒名や遺影などのデータを載せ、希望する星の方向へ光を放射する供養ができたり、スマートフォン向けアプリで衛星の位置を確認して祈願できたりするという。打ち上げ時期は年内を目指していたが、来年に変更となった。
総開発費は約2億円に上り、CFを2回に分けて実施する。今回の目標金額は300万円で、衛星機体の振動試験などに活用する。返礼品はデータとして載せる供養や祈願の受け付け、機体に搭載する銘板への名前の刻印などを用意した。11月24日まで、CFサイト「マクアケ」で申し込める。