宇宙ステーション風の自動ドア、開けるとそこは市民窓口!用事ついでに記念撮影する人多数 国東市役所に聞いた

西松 宏 西松 宏

 大分県国東(くにさき)市にある国東市役所の正面玄関の自動ドアが「宇宙ステーションのドアみたい」と話題になっている。市庁舎を宇宙ステーションに見立て、正面玄関入口の自動ドアをラッピングデザインした。12月19日にお披露目されると、来庁者からは「デザインがかっこいい!」などの声が寄せられ、記念写真を撮る人もいる。

 大分県は現在、アメリカの人工衛星打ち上げ企業「ヴァージン・オービット」社とパートナーシップを締結し、大分空港を宇宙港(スペースポート)として活用するための宇宙関連事業を行なっている。宇宙港というのは、人や人工衛星が宇宙へ行ったり帰ったりする拠点のこと。 

 大分空港では、人工衛星を搭載したロケットを発射台から垂直方向に打ち上げるのではなく、(人工衛星を搭載したロケットを)航空機で運び、空中で水平方向に打ち上げる「水平型打ち上げ方式」の運用が計画されている。実現すれば同空港は「アジア初の水平型宇宙港」となり、周辺エリアは宇宙関連産業はじめ新ビジネス創出の拠点になると期待されている。

 今回の市庁舎ドアラッピングは、「大分空港がある地元自治体として、市役所を訪れる方々に宇宙を感じてもらい、『宇宙港のまち くにさき』としての気運を高めていきたい」(同市政策企画課)と企画された。 

 ドアのデザインを担当したのは、大分市のデザイナー・長門敦さん。大分空港と大分市内とを海上で結ぶホーバークラフトの運行開始が2023年度中に見込まれているが、長門さんはホーバークラフトの船体デザインも手がけている。

 「パネル展示などで宇宙港を訴求するだけでなく、市役所を訪れた方が自然に体感できるような工夫ある装飾をと考案しました。昭和(アラフィフ)世代の私がかつて親しんだ特撮やロボットアニメ、SF映画のような『ひと昔前の未来感』をあえて意識し、子供から大人までワクワクして楽しめるようなデザインを心がけました」と長門さんは話す。

 「KUNISAKI SPACE STATION(国東宇宙ステーション)」と書かれたドアには顔認証のようなレンズ機器や「OK PLEASE COME IN」とのデジタル表示があるなど、まるでAI に認証されてドアが開閉するかのよう。ドアを通り過ぎると、宇宙服姿の同市マスコットキャラクター・さ吉くんが来庁者を出迎える。

 長門さんは「子どもたちが絵の中の細かい仕掛けを見つけて喜んでくれたり、親子の会話のきっかけになってくれたりもすれば」とも。“宇宙ステーション”の扉を開けて、宇宙への夢を膨らませてみては。

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