阪急の西のターミナル、神戸三宮駅のホームに立っていると「4番ホームに到着の電車は特急大阪梅田行きです」と流れます。阪急の駅では〇号線という表記が一般的なのに、なぜ神戸三宮駅は違うのでしょうか。そこには誰もが納得する理由がありました。
なぜ阪急は〇号線なのか
ターミナル駅のように数多くの線路に番号を振り分ける際、「1番線、2番線」のように「〇番線」と表記するのが一般的です。一方、阪急は「1号線、2号線」という具合に「号線」を用います。
実は阪急では線路を数える際にシチュエーションにより「号線」と「番線」を使い分けています。駅では「号線」の一方、車庫では「番線」を用います。駅と車庫で言葉を使い分けるあたりに、阪急らしさを感じさせます。
大阪梅田駅では1~3号線が京都本線、4~6号線が宝塚本線、7~9号線が神戸本線です。各号線には乗車専用ホームと降車専用ホームがあります。降車専用ホームは「〇号線ホーム」とは一般的に言いません。
乗車専用ホームに立っていると「まもなく〇号線に電車が到着します」という放送が聞こえてきます。
余談ですが、十三駅は1・2号線が神戸本線、3・4号線が宝塚本線、5・6号線が京都本線という具合に大阪梅田駅とは番号の順番が逆になっています。
これは阪急独自のルールに基づき、終端駅では駅に入る列車方向から見て左側から1.2.3と付けます。中間駅は大阪梅田駅を起点として進行方向から見て左側から1.2.3と付けます。
中線がポイントの神戸三宮駅
神戸三宮駅は南側から1号線、2号線、3号線と3線あります。一方、ホームは下り方面(新開地方面)が1、2番ホーム、上り方面(大阪梅田方面)が3、4番ホームとなり、他の阪急の駅とは異なり「〇号線」とは放送されません。
中線にあたる2号線は通常、大阪梅田駅から来た列車の折り返しに使われます。その際は2番ホームが降車専用ホームとなります。
かりに2番ホームが純粋に降車専用ホームであれば、1番ホーム=1号線ホーム、3番ホーム=2号線ホーム、4番ホーム=3号線ホームと整理できたかもしれません。
ところが、頻度は低いものの、新開地方面から来た山陽電車が2号線で折り返すことがあります。その際は2番ホームが乗車専用ホーム、3番ホームが降車専用ホームになります。
ようするに中線(2号線)は両ホームとも乗車ホームになりうることから、大阪梅田駅のようにどちらかのホームを「2号線ホーム」と表記するわけにはいかない、ということです。
神戸三宮駅以外の阪急の駅ですと天神橋筋六丁目駅も「〇号線」は使いません。天神橋筋六丁目駅は阪急と大阪メトロとの共同使用駅ですが、大阪メトロが管理しているため、阪急色が薄い駅です。
このように、線路の呼び方にもこだわりを見せる阪急。阪急神戸三宮駅を訪れた際は駅の放送に耳を傾けてください。