1967年創刊の老舗鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」が休刊することが分かった。21日発売の2025年3月号誌面で休刊することを発表した。ウェブ版へ移行する予定はなく、4月発売の6月号で休刊する。
鉄道ジャーナルは鉄道ジャーナル社(東京都千代田区飯田橋)が編集、発行し、成美堂出版(東京都新宿区新小川町)が発売する月刊鉄道雑誌。鉄道ジャーナル社の会社概要によると、 会社の創立は1965年(当初は鉄道記録映画社)、同社の主な業務は「月刊『鉄道ジャーナル』をはじめとする雑誌・書籍の編集・出版、および映像・ビデオ作品、DVDの制作・販売」で、従業員は8人(いずれも2015年12月現在)。
同社はまいどなニュース編集部の取材に対し、「現状を取り巻く出版状況の厳しさも一因」と休刊理由を説明した。
休刊が告知された2025年3月号「氷雪の旅 思い出の夜汽車」について、同社ホームページでは「鉄道を使った旅行では季節を問わずそれぞれの楽しみがあると言えますが、冬はとくに列車が進むにつれて車窓の景色がダイナミックに移り変わる、その変化を目の当たりにするだけでも旅情が深まるのを覚えます。今月は、津軽鉄道のストーブ列車、冬の日本海を満喫できる五能線のほか、トロッコ列車に窓ガラスを嵌め、だるまストーブで暖を取ったりもできるユニークな『風っこ』冬バージョンを取り上げました」「ブルートレインが姿を消して久しく、もはや望むべくもない往年の冬の夜汽車の旅を過去の記事から再掲しました。懐かしい思い出がよみがえります。そのほかグリーン車連結で注目の中央線快速の歴史について前号に続いて後編としてまとめました」と紹介している。1月21日(火)発売で定価1200円(本体1091円)。
SNS上では休刊に対して「表紙めくったら告知があった」「書店が激減する中で手にする機会も確かに減った」「ルポ系記事や事業者執筆の記事とか、好きだったなぁ」と惜しむ声が上がり、「昔の記事を再掲したり、ページ数減などこの1、2年の急激な劣化は目を覆うばかりでした」「昔に比べ紙質も落ち記事もスカスカだったので、やはり…という感想しか出ない」と近年の紙面の変化を指摘する声も上がっていました。
鉄道写真家の中井精也さんは「鉄道カメラマンとしての僕を育ててくれた雑誌だけにとても残念でなりません」とX(旧Twitter)にコメントしていました。
同社ではバックナンバーを販売しており、書店で取り寄せも可能。バックナンバーの注文、申し込み、問い合わせは鉄道ジャーナル社 営業部まで。