今年3月に東急新横浜線が開業し、都心と東海道新幹線が乗り入れる新横浜駅が1本で結ばれました。実は類似したような計画が関西にも存在します。一体、どのような計画なのでしょうか。実現度はどの程度なのでしょうか。
阪急が新大阪、関西空港へ乗り入れる?
東急新横浜線に類似した計画とは阪急「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」です。このうち「なにわ筋連絡線」は十三駅~JR大阪駅(うめきたエリア)を結ぶ路線です。
現在、JR大阪駅(うめきたエリア)~JR難波駅・南海新今宮駅間でJR・南海が乗り入れる「なにわ筋線」の建設が進められています。
阪急は十三駅から「なにわ筋連絡線」を通じて、「なにわ筋線」への乗り入れを計画しています。現段階では阪急~南海間で直通列車を設定することが予想されます。
もうひとつの計画線「新大阪連絡線」は十三駅~新大阪駅間を結びます。実は「新大阪連絡線」の計画自体はかなり前から存在しています。1961年に事業許可を取得し、土地の買収を進めました。
ところが、「新大阪連絡線」計画は立ち消えに。実現しなかった理由のひとつとして新大阪駅の開発が想像以上に遅れたことが挙げられます。
「このまま忘れ去られるのか」と思いきや、「なにわ筋連絡線」との合わせ技で、「新大阪連絡線」計画が再び脚光を浴びることになりました。
「なにわ筋連絡線」と「新大阪連絡線」が一本化されると、新大阪~十三~なにわ筋線~関西空港という新ルートが実現することになります。
開業はずばり2031年
まだ両路線とも建設工事に入っていませんが、報道によると昨年12月に阪急は「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」に関して2031年開業を目指すことを明らかにしました。
「2031年」は「なにわ筋線」の開業予定年であることから、同線に合わせる形で阪急両新線が開業することになります。2031年まであと8年しかないことを考えると、急ピッチで工事を進めることになりそうです。
阪急電車はどのような車両を用意するの?
阪急「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」開業後は、現在の阪急電車仕様のまま新大阪・関西空港へ乗り入れるのか、と言うとそうではありません。
なぜなら、阪急線の線路幅は1435mm(標準軌)なのに対し、南海は1067mm(狭軌)だからです。「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」ともに1067mmで建設されます。阪急は狭軌用の新型車両を整備すれば、同社初の狭軌に対応した車両となります。
新線が乗り入れる十三駅は地下駅になり、既存の大阪駅と大阪駅(うめきたエリア)のような関係になることが予想されます。
乗り換えは必要になりますが、関西空港・新大阪と神戸・宝塚・京都といった阪急沿線が結ばれることの意義は大きいように思えます。
まだ気は早いですが、狭軌用の新型車両が製造されるとしたら、マルーンの伝統を引き継ぐのか、まったく異なるデザインになるのか、興味は尽きません。