話題にするには、ちょっと恥ずかしい「おなら」。ビオフェルミン製薬株式会社(神戸市中央区)が、20~69歳の男女300人を対象に「おならに関する意識調査」を実施し、その結果を発表しました。それによると、おならが出るのを我慢した場面について、女性は「人が多い空間」や「電車・バスの中」、「静かな空間」などが上位に挙がったのに対し、男性は「特にない」と答えた人が最も多い結果となりました。
2023年1月にインターネットにて実施した調査で、内訳は男性150人、女性150人となっています。
まず、「ご自身の腸内フローラや腸内環境が気になりますか?」という質問に対して、「はい」と回答した145人にその理由を聞いたところ、「便秘が気になるから」(49.0%)、「腸に関心があるから」(33.8%)、「免疫力低下が気になるから」(33.1%)が上位に挙がり、「おならが気になるから」は26.2%とという結果になりました。
次に、20~60代の男女300人に、1日に何回くらいおならをしているかを聞いたところ、「1~3回」(30.7%)、「4~6回」(30.0%)、「7~10回」(15.7%)、「0回」(11.7%)が上位に挙がりました。また、健康な人のおならの回数は1日に何回ぐらいだと思うかについて聞いたところ、「1~3回」(36.3%)、「4~6回」(26.3%)、「7~10回」(16.7%)、「0回」(12.7%)という回答になりました。
続いて、おならが出る原因は何だと思うか聞いたところ、1位が「ガスが発生しやすい食べ物(いも類など)の影響」(37.3%)、2位が「腸内環境が悪化することでガスが生じるため」(32.7%)となり、以下、「腸内の悪玉菌が増えているから」(30.3%)、「腸内環境が変化する過程でガスが生じるため」(29.3%)、「便秘」(27.7%)といった回答が続きました。
また、おならが臭くなる原因は何だと思うか聞いたところ、「腸内の悪玉菌が増えているから」(29.3%)、「理由が分からない」(25.7%)、「便秘」(25.3%)、「肉類など動物性たんぱく質の食べ過ぎ」(24.7%)、「腸内環境が悪化することでガスが生じるため」(24.3%)といった回答が上位に挙がりました。
さらに、おならが出るのを我慢した場面について聞いたところ、「人が多い空間」(34.7%)、「特にない」(31.7%)、「電車・バスの中」(30.7%)、「静かな空間」(25.7%)が上位に挙がりました。これを男女別に見てみると、女性は「人が多い空間」(36.0%)や「電車・バスの中」(32.0%)、「静かな空間」(31.3%)で我慢しているのに対し、男性は「特にない」(34.0%)と答えた人が最も多い結果となったそうです。
最後に、おなら対策で気をつけていることについて聞いたところ、「特になし」が最も多く58.3%となりました。男女別に見てみると、「便秘の改善を心がけている」が男性6.0%、女性19.3%となり、「便秘に悩む女性の多さを改めて認識させられる結果となりました」と、調査を行った同社は述べています。
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調査に関連して、広島大学病院副病院長・感染症科教授の大毛宏喜さんは、「おならの元となるのは、飲食する際などに口から飲み込む空気と、腸内細菌が食物繊維を餌として発酵する過程で発生するガスなどが混ざったものです」と、おならの発生メカニズムについて解説。「私たちは水100ccを飲むとき、その倍の約200ccの空気を飲み込んでいます。空気の成分は酸素が約2割、窒素が約8割。酸素は体内に吸収することができますが、窒素は吸収されないため、げっぷなどで体外に出さない限り、腸まで運ばれおならの元となります」としたうえで、「おならは誰でも出るもので、体に悪いものでは決してありません。我慢しても、体内に吸収されることはなく、そのままため込んでしまうことになり、いつかは必ず出るものなのです」と述べています。