京都の西陣織の生地で動物を表現 職人男性が絵本を制作「本物の金襴に触れて欲しい」

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 京都市上京区の西陣織工芸製造販売業の男性が西陣織の金襴を使い、動物を表現した本を制作した。ウマやゴリラなどの動物のシルエットが金襴で切り抜かれており、触って何の動物か考える仕組みだ。男性は「親子で本を見て何の動物か考えてほしい」と話す。

 富坂儀一郎さん(75)。富坂さんは孫に絵本を作ろうと思い、試行錯誤するうち西陣織を貼り付け本にすることを思いついた。

 本は「これな~んだ?動物編Ⅰ」。ゾウやキリンなど計8種類の動物のシルエットを型紙に沿って切り抜いた。生地によっては切り抜いた周囲がけば立ち、動物の毛並みのように見えるページもある。

 シルエットで表現するため、文字は最小限にした。視覚に障害のある人や外国の人にも楽しめるのが特徴という。

 富坂さんは「子どもたちが西陣織の金襴を触れる機会はめったにない。この本を通じて金襴がどんなものか感じ、さらには西陣織にも興味をもってもらいたい」と話す。

 「こどもの日」に合わせ10部限定で販売を開始した。B5判、16ページ。3300円。富坂綜絖店のホームページ(https://nishijin.theshop.jp/)から購入することができる。

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